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仏教オタ 独白
自分が物心ついたその時は、30年に及ぶ中傷と罵声と、世界で最も自分に悪口を言う人生の開始でした。 できなかった。 吃音で普通に話すことが。 虚弱で人並みに体を動かすことが。 無意識に右手が顔を殴りつけないで、反射的に頭を壁に叩きつけないで、不随意に声を出さないでいる事に。 それがトゥレット症だと知る事が。 自らと共に育まれる、劣等感と焦燥感と自己嫌悪から逃れる事が。 般若心経 全ては空であり、実体はない 楽になろうとも キリスト教 罪科消さりて 感銘受けども 自衛隊 尊敬すべき人と過酷な訓練と 鍛えられども 酪農 牛 牛 続く仕事 ここにいれども 怒声と中傷は消えず 劣等感は巣食う 劣等感からは脱せずに。粘りついて。 できない。劣っている。答えがないまま。 言われたのは、気合が足りない、努力が足りない、寝れば治る、酒が飲み足りない、注意力が足りない、意識が足りない、根性がない、気持ちが足りない。 それで何とかなればもう何とかなっている! 気が付いたら、右手は顔面を殴打して、中傷されて、終わる。 答えがないまま。 聖書にも各宗派の開祖にも、心理学にも文学にも答えを見出せぬまま。 四聖諦 苦諦 滅諦 集諦 道諦 意訳:苦しみはあり、それには原因がある。苦しみをなくせる方法があり、それを実行できる。 自分に必要なのはこれでした。 三毒 妄想 怒り 貪欲 これでした。苦しめていたのは。 劣っているという怒りが、これではいけないと妄想し、貪欲に苦しめられ、怒りが増大していた。 これらに対し必要な対応は、苦痛を三毒に分類してこれ以上は反応しない事で。 今まで出会った全ての人々が大切にしていたこの三つは、自分にとって猛毒だと気づく。 誰も毒と思っていないから、教えてももらえずに。 原始仏典 見つけたのは自分に有益な言説の数々。 「つとめ励むのを楽しめ。おのれの心を護れ。自己を難所から救い出せ」ダンマパダ 23章 象 方向を指差されました。 「自分は優れているとも劣っているとも等しいとも思ってはならない。色々質問を受けても自己を妄想せずにおれ」スッタニパータ 並ぶ応答 長編 自分に向けられたような言葉が。 「快楽の味は短く苦痛に満ちている」ダンマパダ 14章 ブッタ 戒めの言葉も。 「賢者は非難と称賛とに動じない」ダンマパダ 6章 賢い人 こうあるべきとして。 「自らを拠り所に、他のものを拠り所とせず、正しい生き方を拠り所にして他のものを拠り所にしないのである」 マハー・パリッニバーナ 第2章 こうもあろうとすべきとして。 原始仏典から得られたもの、それは四聖諦と三毒への対応から生きるための手段、各言説から指し示られている方向性。 30年の中傷と罵声と迷走と劣等感と焦燥感と自己嫌悪から、脱出するためやり方が記されていた。 自分が欲しかったのは、苦しみから脱出するための技術だった。 それを得たのだ。 「わたしはあなたが差し出したもの(罵詈雑言)を受け取らない。あなたの言葉はあなたのものとなる。そのまま持って帰るがよい」サンユッタ・ニカーヤ 反応しないという事。 「眠らないでいる限りは、この慈しみの心遣いをしっかりと保て」 スッタニパータ 蛇の章 誰かが善くあるように心を使う事。 「恨みを捨ててこそ止む。これは永遠の真理である」 ダンマパダ 第一章 もうやめたのだ。 「怒りを打ち滅ぼして人は安楽に伏す。毒の根であり最上の甘味である怒りを打ち滅ぼすことを聖人は称賛する」 サンユッタ・ニカーヤ もうやめたのだ。 「完全に安らぎを得て、自ら安立している」 テーラ・ガーター こうなるのだ。 そして、この世を渡る技術として。 慈悲を。願わくば、傷つけた者へも。 「しかしその報復を控えて許すならば、それは自分の罪の償いとなる」クルアーン 食卓章 45節 「次にある通りです。『善い者はいない。誰もいない』」新約聖書 ローマの信徒への手紙 3章10節 「父よ、彼らを赦して下さい。なぜなら、彼らは何をしているのかわからないからです」新約聖書 ルカの福音書23章34節 「何ごとも自分の思った通りにできるのなら、極楽参りの為に人を千人殺せと言われたら、素直に殺しに行くだろう。しかし一人も殺すことできないのは、そういう業縁がお前にないからだ。 お前の心が善いから殺さないのではない。 もしお前にそういう業縁があれば、そんなことをしてはいけないと思っても、百人千人と殺すのだ」歎異抄 13章 「わたしは以前には手が血で染められ、『アングリマーラ』(切った指で作った輪をかけている者)という悪名で知られていた。わたしが帰依するのを見よ。迷いの生存に導く素因は、根絶やしにされた」テーラ・ガーター 「もし汚れた心で話したり行ったりするならば、苦しみはその人につき従う もし清らかな心で話したり行ったりするならば、福楽はその人につき従う」 ダンマパダ 第一章 慈悲を。ならばこそ。 「いっさいの生きとし生けるものは、幸せであれ」スッタニパータ 蛇の章 この苦しみの跡が、誰かの役に立てますように。
仏教オタ 独白 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1717.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2019-07-28
コメント日時 2019-08-12
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 1 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 5 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0.5 | 0.5 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2.5 | 2.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
僕も、心にはまる何かに出逢えたらな、と思いました。真に必要なもの。生きるために。自己を難所から救い出すために。 ありがとうございました。
0IHクッキングヒーター(2.5kW)さん、こんにちは。 正直完全にコメントをもらえるのを諦めていた作品に、コメントしてくださり、感謝です。 今回エッセイ的な、個人的な心情信仰的な作品を投稿してみました。 どうにも牛の乳搾りしている最中にこのような妄想が起こり、いつの間にか形になっていたので。 多少なりともかつてのどうにもならなかった苦しみが、何かの役にたてたようです。 こちらこそありがとうございました。 いつしか心にはまる何かを見つけられる日を、祈念します。 自己を難所から救い出せる何かを見つけられるはずですので。
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