別枠表示
裸ベーコン
私はよくよく、よく分かっている あなたが私に好意を持ってくれてるなんて 考えるのが無駄だって 興味本位から始まるものを信じたけれど 熟しきった果実のようで 誰かが悟って時間を決めたんだ 腐ってるっていわない優しさ それか嫌味 たまらず告白した そうさせたのに あなたは相も変わらず 月を見るのとおんなし目で 私を見ていた まるでそう 収穫月を待つように 満月の夜に お月様が高く上っている 2人で踊ることなんてもう出来ないのにね 後にエンディングを知る あそこで終わっていれば、私はこんな姿にはならなかったよ 私は夜のブティックの前で写生をす 「だってね、こんな小さなブティックなのに日ごとにショーウィンドウが変わるんだよ。聞いて、私はそれを描きとめて人生を想像するの。誰かの人生を」 あなたは笑って聞いてくれた そうして夜な夜な私の横でお酒を飲んだ 私も飲んで二人で踊った。 やがて満月の夜だった。 その時もう、私はあなたのすべてを赦した 抱かれる私をあなたは噛んだ 初めての夜 アバラ骨の皮の薄い部分 うっすらと血がにじみ、その傷口にいつまでもキッスした 湿っていく私の体は卑猥で、それに感じていつでもそれを続けた やがて体にカビが生えた あなたは芳醇な香りだと喜んだ もう何ヶ月も続けている 適度な湿度と乾燥を繰り返す あなたの塩分で余計な水は抜けていく カビは均一に肌に伸び 体は出来上がる 私の体はベーコンになった 思えばもう他の人生を知らない 私はあなたに気持ちを打ち明けたけど、あなたはそんな顔をしている そうして知った 何て容易い愛なんだって
裸ベーコン ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1280.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-07-26
コメント日時 2019-07-26
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文