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そうぞう
2月21日 気温28度 天気は快晴 潮風に髪を揺らされながら、東京海に唯一残ったビルの上に立ったわたしは海に沈む高層ビル群を眺める 海の中でキラリと光った魚の群れが、倒れたビルの中に入り込んで行った とっても寂しくて、壮大で、何故か懐かしい景色 その世界の中心を目指して、壊れた柵を乗り越えて、ゆっくりと、一歩を踏み出す ふわりと浮いて、、、 頭から落ちていく 落ちていく 落ちていく 海面に到達しても、ビル郡の中を落ちていく 街の主人は人間から魚に変わっていた この景色を、人間の破壊の代償だと言う人がいる 人間の破壊に対する報復として、自然がその猛威を振るったのだと だけど、たぶん違う たぶん、この世界で起こっているのは、全てそうぞう 不意に黒が視界を覆った 小魚の大群、黒い雲に揉まれて、、、 最後の一匹が視界を通り抜けたとき 空を飛んでいた 沈む夕日に照らされた真っ赤な空 そこに浮かぶは白い鋼鉄の都市 大海原に浮かぶ人々のそうぞうを乗せた箱舟 空中都市を背景に、風を切って落ちていく はるか下に広がる東京の海をめがけて落ちていく 雲を突き抜けて落ちていく 人間が作った景色を背景に、風を切って落ちていく 人間が造った景色に向かって落ちていく 落ちていく 落ちていく 落ちて、、い、く、、、 ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ、、、 今日も、いつもの世界で目覚めたわたしは、鳴り響く目覚まし時計を手探りで叩く さあ、パン食べて、コーヒー飲んで 今日をそうぞうするか
そうぞう ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1816.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-07-05
コメント日時 2019-07-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
荒廃した世界の風景が浮かびますね。 ただ、夢オチはちょっと安易なんじゃないかなとも思いました。
0トビラさん コメントありがとう! 俺も夢オチは迷ったんだけどね。 俺としては、人々の想像と創造によって創造された世界そのものが、主人公の想像によって作られた世界だった、ていう事を書こうとしたんだけど。 圧倒的な俺の力不足のせいで、物凄く安易物になってしまった。
0神の遊泳なのだと思った。 遙かまで見渡せる壮大な世界に一人きり、落ちていく。 寂しさもなければ、恐れもなかった。明晰夢に似た安心感と、知り尽くした世界を見渡す満ち足りた気持ち。 そうぞうだから。 精緻に組まれた箱庭は、全てが誰かのそうぞうで、その誰かとは何となく、そうぞうがつくけど、やっぱり言わない。言ったらきっと崩れてしまう。歴史の重みを感じるほどに、しっかり骨を組んでないから。 落ちていくほど好きになる。 心の底で渇望していた景色を存分に楽しみながら、落ちていく。 ひとときだけのそうぞう“した”せかい。 冒頭、無機質であるはずのデータで、感情の揺れを誘う手法は面白いと思いました。 水に飲まれた世界観は大好きですね。
0千才森 万葉さん コメントありがとう! 神の遊泳かあ。面白いね〜。俺がこの詩を書いた時の考えよりも、ずっと面白い。 水に飲まれた世界感は俺も大好きだよ。いつかこうならないかな〜って言う密かな野望を抱いてるくらい。
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