病み猫 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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病み猫    

風呂場に猫をもって入る 星と溶け合う猫の病 猫は包帯をしている 夕方から夜にかけての至近距離で 狙い撃たれたのは命 時間に根差した憎悪 黒い太陽のカケラ ばらばらになった猫の臓腑 ぶつかった車は国道を駆け抜けた 闇間に溶ける猫 サヨナラは言わないで ゲノムの螺旋は雲のしわざ ちっぽけは道は悦楽を生む 自堕落な寓話 太り切った夕暮れの駅は 木綿の硝子で埋め尽くされ 零れるのは品川駅 大森駅 中津川駅の順番で 畑のない街で種を飛ばす男たちのネオンサイン 君はフィリピンの猫かい? いいえベトナムですわ 皆さん 世界に終わりあるなら始まりを指さして下さい 「心」 いいえ それは猫の中にあります 迎撃されたパトリオットの花びらは 指で飛ばすとよ あたしを動かした無上の猫は逝ってしまいましたわ 東京は根こそぎ剥がされ黒い穴となり 精液にまみれていましたわ 愚かさから生まれたのが人間でした この善良な形をしているものが猫です 亜麻色の柔らかい時間がぼくたちの エデンホテルをたつ日に朝方に のっぺりと歩みでる 猫にはわかっていました 「マコ」と名付けられたその猫は 公園の野原で死ぬときに かつて優しい男に引き取られ 温かい部屋と食べ物を与えられ 少しばかりの命を引き延ばし 今その終わりを迎えることを からっぽだったあたしに 甘い記憶を植え付けて いってしまったあの人のことを


病み猫 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 2241.8
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 179

作成日時 2019-06-20
コメント日時 2019-06-26
#テキスト
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性5050
前衛性22
可読性3030
エンタメ6767
技巧00
音韻00
構成3030
総合ポイント179179
 平均値  中央値 
叙情性2525
前衛性11
可読性1515
 エンタメ33.533.5
技巧00
音韻00
構成1515
総合89.589.5
閲覧指数:2241.8
2025/04/13 00時52分53秒現在
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    作品に書かれた推薦文

病み猫 コメントセクション

コメント数(2)
エイクピア
(2019-06-24)

むしろ前衛性があるような。でも >風呂場に猫をもって入る >星と溶け合う猫の病 >猫は包帯をしている >夕方から夜にかけての至近距離で >狙い撃たれたのは命 この最初の5行だけでも、次の行、連が読みたくなる様な内容の配列だと思いました。エンタメ性と言うのか。

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尾田 和彦
(2019-06-26)

◆静かな視界さん コメントどうもありがとうございます。 初めて書いた詩が猫の詩でした。中学生の頃。これはシリーズというものではありませんが、 大体そのときの生活が作品の中に入り込んできますね。 本当はもっと違うものが書きたい。 ◆エイクピアさん うん。いつも自分が「前衛」だと思ってますね、笑。 ◆タカンタさん アドバイスありがとうございます。 詩というのはあんまり論理的なものではなく、感覚や感情的なものが捉えている世界と繋がって いくものだと思います。カテゴライズされないものだと思うんですね。

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