痛い体 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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痛い体    

結婚してなくても 子供がいなくても バイトでも 急に演劇始めても もう若くなくても 猫飼ってても あたしはあたしの人生生きてるだけだ うるせーーーーーー 研修医の時いじめを受けた 患者の呼吸を手で押せと 途中で薬投与するため機械に乗せた 殴られた 患者を思ってのことだと思ってた ある日緊急手術があった 私しか間に合わなかった 2人の命がかかってた 怖かった 指導医が後から来た 部屋に入ってこない 外でずっと何か話してる 笑いながら何か言い訳してる 何を言ってるかもう聞こえない 私は機械的にハッピーバースデーのボタンを押す 医者になって3年目 36時間働いた後 雪道を2時間走った ぼたん雪が花火みたいだった 寝てはいないけど 雪がガラスに広がると 催眠術がかかる 気づくと中央分離帯が前にあった 色んな人を見た 色んな人の人生を引き受けた 赤ちゃんの顔にメスを入れた時 私が死んでもこの傷跡は残るんだと思った 毎日一生懸命だった 出来ないことがだんだん出来るようになった 頑張ると人が応援してくれた 不器用だけど必死に食らいついた 仕事より結婚しなさいと 祖母が言った 医者以外人間じゃないと言ったその口で 海外の学会発表 内容より、結婚相手見つけろと上司が言った 泣く後輩喧嘩する先輩 私はだんだん疲弊していった 夜勤明けの看護婦さんの車が 私の右側に当たった 右耳が聞こえなくなった めまいで動けなくなった どこかがずっと痛い 体か心か分からない どこかがずっと痛い もう働けない もう愛されない 癌かもしれない そう言われた 子供はもう産めない 結婚もできない したいと思ってた? 分からないけどもうできない なにもしてないのに 死ななきゃならない 猫を飼いたかった ダメだったから魚を飼った 一日中水槽を眺めてた 世話をしてるのに一匹ずつ死んだ 水槽から外に飛び出して 私は生き延びた でも前の私じゃない 生きても死んでも1人でも大丈夫と思ってた 本当はそうじゃなかった 猫を飼った また1人になった 自分の人生を生きる 自分で選んだ いつもどこか痛いこの体で


痛い体 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 1
P V 数 : 1364.5
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 20

作成日時 2019-06-09
コメント日時 2019-06-10
#テキスト
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性2020
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント2020
 平均値  中央値 
叙情性1010
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合1010
閲覧指数:1364.5
2025/04/16 16時24分05秒現在
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    作品に書かれた推薦文

痛い体 コメントセクション

コメント数(1)
渡辺八畳
(2019-06-10)

>医者になって3年目 >36時間働いた後 >雪道を2時間走った >ぼたん雪が花火みたいだった >寝てはいないけど >雪がガラスに広がると >催眠術がかかる >気づくと中央分離帯が前にあった あたりの表現は上手い。訴えかけてくるものもある。ただ少し冗長なのが傷。も少しコンパクトにしてもよいだろう。最初の連とか指導医のところとかは削れる。

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投稿作品数: 1