日常の「非」が付く時間 - B-REVIEW
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日常の「非」が付く時間    

赤茶色の蜘蛛の巣が 今日も街を眺めている 子供が傍に寄ってきて 木の棒で ゆっくり糸を絡めとる 赤茶色なのは空の方で 本当は蜘蛛の巣は白い 少し染まって色がついて見えたのだ 子供は涼しい色の目で 空の方向を見た ……この子に親はいないのか? 蜘蛛は問う 赤茶色の空は日の傾く時間 子供は家に帰る時間だ もう一度 蜘蛛は問う 届かないのを知っていても 透き通ったその目は なにかに気づいてこちらを見る 赤い目だった 子供は… 赤茶色の空に赤い目 蜘蛛に触れることなく子供は消えた まるで 生命の輝きとでも言えそうな赤色は ゆっくり宇宙へ消えていった 翌日は雨だった 蜘蛛はそんなことは忘れて せっせと巣を直している 赤茶色の空に赤色の目は 印象的だったが そこには二度と来なかった


日常の「非」が付く時間 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 2196.3
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 24

作成日時 2019-06-08
コメント日時 2019-06-26
#テキスト #酷評OK
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性140
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧88
音韻00
構成22
総合ポイント2410
 平均値  中央値 
叙情性4.74
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧2.70
音韻00
構成0.70
総合810
閲覧指数:2196.3
2025/04/13 00時52分49秒現在
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日常の「非」が付く時間 コメントセクション

コメント数(3)
渡辺八畳
(2019-06-10)

赤茶色の所在が二連目で反転するのは非常に上手いのだが、あまりにも赤茶色にこだわり過ぎていて途中で飽きてしまうのが欠点

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ひかる@澤雪光白
(2019-06-11)

なるほど……。確かに、同じ言葉(この場合は色ですね)が続いてしまうと、イマイチ印象的なものも、薄くなってしまいますよね。ありがとうございます。

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尾田 和彦
(2019-06-26)

面白い作品です。 『赤茶色の蜘蛛の巣が  今日も街を眺めている』  冒頭のパラグラフに、太陽、蜘蛛の巣、蜘蛛、人間の子供、町がなどが投射され 宇宙的なスケール感が醸し出されている。 あたかも人間の外側に存在する「知的な者」が人間以外の目でものを見つめている、 といった印象を受ける。 ぼくもこの詩のように日常を破壊するのではなく、日常の奥を覗くような視点が必要 だと思います。アクチュアリティーのある詩でもあると思います。

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