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喪失
水色の影はつぎつぎと分かれて 美しい心臓に進化した! そして遅かれ早かれ 白い砂になってしまうんだよ やけにさびしいな はぐれたウロコのような雲が 汗ばむぼくを追い回してる 昼下がり 天使を叩き落とすように 野良猫は力なく空をひっかく ぼくはただ十本の指で 目の前を塞ぐことしかできなかった ポールの脇で咲いた花の影が ちぎれんばかりにけいれんして―― その一瞬のちに ぼくの髪ははげしく吹きあげられた 時がどんなにはやく流れようと この喪失を消すことなど できやしないというのに たとえばそれを 途方もなく大きな存在とでも言おうか それに何かを言いたげにぼくは 渇いた口を粘らせては また 力なくだらりと閉じる たしかに言葉にできると思っていたのに かなしみはあっけなく つまらない海に溺れてしまったから 今日もまた夢を見ることはない それにしても なんてきれいな夜だろう 涙より熱くて肌色より冷たい 寝転がってもきっと 誰も気づかないだろう (ここにいつまでもいられるほどには 強くはない) 誰かこの深海からぼくを守って 守って
喪失 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1338.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 15
作成日時 2019-05-24
コメント日時 2019-05-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 8 | 8 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 4 | 4 |
総合ポイント | 15 | 15 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2.7 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1.3 | 1 |
総合 | 5 | 3 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文