くだる - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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くだる    

【さかくだり】       あの懐かしい橋を渡れば 蛙のひしめく道がある いきものを ころさないように 体が傾むく川下にむかって 足をゆっくりと あるく  あの懐かしい橋を見下ろせば 大雨の日に流れていた大木が見える 身を乗り出して声を立てて笑いながら 激しい濁流を眺めてみると大人は怒る あの懐かしい橋のむこうで こどもたちは 喧嘩して仲直りもせず こどものままで いまも 住んでいる きょうもあの子は言う 「おまえんちの家の前の空き地は むかし なまくびがならべとったんど じゃけえ おまえんち のろわれとるんじゃ けけけ」 妖怪のような いたずらを 風のように じようずに うけ流すこともしないで こどもたちは いまも あの橋のむこうに 手を取り合うこともなく 住んでいる 【さらに くだり】 花のようでありたくて 親指と親指とをあわせて 小指と小指とをあわせて あわせた手のひらをひらいて花をかたちづくる 無骨な十本の指を 天にむけて ひらけば 指が エナジーを放つ 縄文土器のように 焔立つ 平 成 という時代は  ほかのどの時代とも違って 時系列に古い順番に並べるのが 今の私には まだ難しい たとえば 平成土器は このような土器ですよと見せることはできない だが、小渕さんが たからかと掲げた あの 平 成 の ボードを 逆さにしてみる。と  まるで縄文土器のようぢゃあないか 無骨な十本の指を 天にむけて ひらき 平成も知っているこの指が まるで縄文土器のように無骨なエナジーを放つ 平成の文字は まだまだなまなましいエナジーを放っている わたしは無骨な指で土器のような形をおもいながら わたしは しずかに花になる こどもたちは いまも あの橋のむこうだ 手を取り合うことがなくても 花のように 住んでいる


くだる ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 6
P V 数 : 2093.6
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 96

作成日時 2019-05-08
コメント日時 2019-05-28
#テキスト #REIWAビーレビCUP参加作品 #酷評OK
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性3232
前衛性00
可読性1515
エンタメ2525
技巧66
音韻77
構成1111
総合ポイント9696
 平均値  中央値 
叙情性6.41
前衛性00
可読性31
 エンタメ50
技巧1.20
音韻1.40
構成2.21
総合19.24
閲覧指数:2093.6
2025/04/10 02時40分55秒現在
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    作品に書かれた推薦文

くだる コメントセクション

コメント数(6)
るる
(2019-05-08)

本作品は、拙詩【そらおそろしい】に於いて 南雲安晴氏にいただいたコメントを 参考に 書かせていただきました。

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トビラ
(2019-05-16)

指をひろげて、縄文土器のようになるという発想はすばらしいですね。 個人的に惜しいなと思うのは、視点が現代で止まってるように感じるところです。 縄文土器をつくった、縄文時代に生きた人たちの想いみたいなものにも、思いを馳せられていたらいいのかなと思いました。

0
るるりら
(2019-05-16)

縄文土器の手話みたいな部分が気に入ってくださって嬉しいです。 この詩の視点は、現代人として書きました。現代人が縄文土器の手話をしている感じです。あくまで 現代人を書こうとしたので、縄文時代に生きた人の想いについては まるでかんがえもしなかったというのが 正直な気持ちです。 縄文人がならば、この詩のようなもののことを「そもそも わしら漢字なんてしらねぇし」と言われてしまう気がします。  だいず、もし わたしが縄文時代に生きた人たちの想いに触れた作品が書けたら どんなに素晴らしいでしょう。そういえば、つい先日北海道で 縄文時代の人のおひとりのゲノムが解析できたニュースをみました。とても詳細に身体的な特徴を可視化できているというニュースでした。その解析の結果である その人物は、どこかであったことのあるような方で、あたかも なにかを喋ってくださるような気がするほど生き生きとしており、わくわくしました。わたしは、縄文がどうやら とても好きなのです。 身体的な特徴をどんなに明確に知ることができたとしても、縄文時代の想いは想像の翼の力でしか触れることはできません。たしかに、縄文時代に生きた人たちの想いみたいなものにも、思いを馳せるのは 魅力的で、詩でならではの示唆ですね。暇をみつけては縄文の人に思いをはせて またいつか言語化してみまたいです。 貴重なご意見ありがとうございます。

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るるりら
(2019-05-16)

二連目の冒頭の 「だいず、」は ミスです。意味はないです。すみません。

0
鹿又 夏実
鹿又 夏実
(2019-05-16)

面白かったです。 前半のリズム感のある抒情から、平成のくだりでガラッと雰囲気が変わったように感じるのでそこが個性的と思いました。もう少し前半と後半を馴染ませたほうがいいのかなと思う反面、豊かな生命感に貫かれているのでそれでいいのかなとも思います。

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ふじりゅう
(2019-05-28)

拝見しました。 個人的に気に入ったのは >平 >成 >の >ボードを 逆さにしてみる。と  >まるで縄文土器のようぢゃあないか です。面白い表現だと思いました。 そらおそろしいの別バージョンとして、好感が持てました。

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投稿作品数: 3