別枠表示
伸ばした手の先に(仮)
伸ばした手の先に そこに 大きな手があると 自分を包みこみ 守ってくれる手があると なにも言わずに信じられる点において 大人は子どもにかなわない そこに手がなければ 泣いて わめいて 抗議する 要求する 自分は愛されるに値する存在だと 大きな声で訴える それはテレビの中で 笑顔を振りまき 歌って踊る彼女たちとは まったく異なる在り方だ この国では 子どもが子どもでいられる時間は 日々、削られている 子どもが子どもであるために必要なものは それほど多くはない 不要なものが多すぎるのだ 「便利」という名を借りた不要なものが 伸ばした手の先には 空があった どこまでも広がってゆく空があった 求めていた大きな手はなかなか来なかった 空をやみくもに探っても 手はみつからなかった そうやって 早く子どもであることをやめる子どもがいる 子どもでないものをつくることは 大人の為した少なからぬ罪のひとつだ ほろぼされることなく増えてゆく罪のひとつだ
伸ばした手の先に(仮) ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 808.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-05-15
コメント日時 2017-05-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私は子供が嫌いなのですが、既に25歳になる独り立ちした娘がいますので、子供が嫌いだと表明出来る次第です。そんな私が本作『伸ばした手の先に(仮) 』を読みまして、感じましたのは、そうだ、僕のような子供が嫌いな大人は、子供を大事にする意識を持たなければならないよなあ、ということでした。子供が好きなのか、嫌いなのか、それを大人はまず表明しなければならないし、嫌いだという私のような大人は、子供を好きになろうとするのではなく、本作にて感得するようなもの、それを教訓として持つべきだと。ごめんなさい。感想の域を出ていないコメントで失礼しました。 冬木さん、投稿有難う御座います。
0