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播種
一本の木の下で あなたは語り続け ささやき続け うもれ続け いまはもう なにもない はだらに黒土のあらわれた大地 土をすくう 飢えた土はあなたをつかんで 離さない 言葉を求める者たちが 発光しながら行き惑うゆうべ 道は静かに空にのぼり 緑の燐光を発して消える ――土はあたたかいのですね 押し寄せるノイズに堪えかねて ひきちぎった耳を黒土の上に置いた あなたの吐息が白くからまり はいのぼり耳を包み やわらかく馴染んでいく あのひ耳もとで くりかえしささやかれ くちびるでふれられ しびれを宿した わたくしの耳 すべてを土に還したら わたくしの耳も あおくしろく 光り始めるでしょうか 蝶の翅の形にそろえて ふたつの耳を 黒土に埋めた 粉砂糖をふるように 朝が降りてきている
播種 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 864.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-05-14
コメント日時 2017-05-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
持ち帰った黒土からは何故という問いが聴こえてきて 持ち帰らなかった国土からは閉じられた光を君が感じているだろう なんて ささやいてみた朝に 喪失の光が粉砂糖を輝かせる まりもさん、毎度投稿有難う御座います。LOVE返詩です。
0国土➡黒土でした。失敗。。
0花緒さんへ 発起人側の方に入ってしまうと、投稿者たちが遠慮してレスをつけなくなる、のであれば、それはあまり良い傾向ではない、ような気もします。(それとも、わけわかんない、どう感想書いたらいいのかわからない、という、伝わりにくさの部分でコメントがつかないのかな(^_^;)だとしたら、不徳のいたすところです。)といっても、自分のスタイルを変えようとは思わない、かもしれないけれど(笑) そうですね、身体性に即した表現をしようとすると、躰そのものに向かっていくことが多くなりますね。もっと、躰から離れたところで、体感のある表現ができればよいのですが。 三浦さんへ くろつち、と読まずに、こくど、と読んだ、ということでしょうか(笑) あかつち、くろつち・・・つち、という言葉が、なぜか好きです。なんでだろう。 細かく霧のように、さらさらと物質のように降り注ぐ朝日、をイメージしつつ(中也にさらさらと、さらさらと、というのがありましたね、そういえば)なかなかうまくいかない、のが現状です。
0良作ですが、私ならこのコンテクストで「ノイズ」という表現は使わないと思います。面白いことに、「ノイズ」という表現自体がこの作品のノイズになっています。そのことは良くも悪くもこの作品の志向を示しているような気がします。麗文《レイブン=大鴉》で飾られながらもそこには孔雀の羽が混ざっている、というような印象でした。
0詩人同士のラブソング。愛する人、過去の恋=関係性への追悼詩のようなものを感じました。 「あなた」は、なにはともあれ言葉を発するひとなのですね。 この愛の詩を、(もう言われていますが、)「耳」と「土」と言うテーマに絞ったところが、この詩の面白さかなと。 言葉と言うものを、まりもさんは見ているのではなく聴いている。都会に存在しているのではなくより深い土に根差していらっしゃる。 そのようなことを思いながら読みました。 レスがつきづらいのは完成度が高すぎるせいじゃないかと思います。
0まりもさん、こんにちは。御作にコメントさせて頂きます。 耳は聞き取るだけでなく、体温や言葉を感じる部位でもあることを伝えているようで。官能的な香りがしました。 あまりに感度のよい耳が切り離してしまって。離してはじめて聞こえるもの、感じられるものがあるような 気がして。 ひきちぎった耳の描写は生なましさよりもの悲しさを感じました。
0kaz. さんへ ノイズ、という言葉が「評」の中で出て来て、言葉にならない、でもざわざわと耳障りな、なにか・・・雑音、というのとはまた少し違う、要するに邪魔なもの、という感覚で面白いな、と思い、早速使ってみました(笑) まだ自分のものになっていない言葉を安易に引っ張ってきているところに、無理があったのかもしれません。やっぱり、浮いてますかね・・・。 朝顔さんへ。 そうですね、何かを埋葬してしまいたい、追悼したい、せめてそこから、新しくはばたく何か、があってほしい・・・そんな気持があったと思います。言葉は、聴くもの、なのか、ふれるもの、なのか、浴びるもの、なのか・・・そんなことも考えます。 夏生さんへ 耳も皮ふで(耳の一部を切断しかかる、という怪我をした時、顔の皮膚の延長だということを、初めて知りました・・・)肌感覚を持っている器官。その内部で音を聞く。外部は振動に触れる、体温に触れる、気配に触れる。内で聴き、外で触れる、その感覚が、心で聴き、肌で触れる、人の躰に近いように思います。
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