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クレアおばさんゆさゆさ
ここは寒すぎて コトコト煮込んだシチュー恋しく 焦りながらの帰宅道は 普通の少年のようだった たった2℃熱いコーヒーも欲しがり サンタクロースのような 土っぽい自販機は ガシャ と 無神経に商品を 投げ落とすだけだった ドクロの模様に近い交差点の 日の差さぬ電線の真下に ホントに意味がなくても 花束を括りつけた オドロロ オドロロ たまに来る自動車が離れては消え 離れては消え また近づいては 下道を彩っている ここは寒すぎて ブーとメールが来て それで、クレアおばさんの笑顔と 諸々を揺らしながら 空き缶を捨ててあくせく帰宅する僕は まるで普通の少年の様だったのかもしれない。
クレアおばさんゆさゆさ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2058.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 15
作成日時 2019-03-27
コメント日時 2019-04-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 3 |
前衛性 | 3 | 3 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 5 | 5 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 15 | 14 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0.6 | 1 |
前衛性 | 0.4 | 0 |
可読性 | 0.1 | 0 |
エンタメ | 0.1 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0.7 | 1 |
構成 | 0.1 | 0 |
総合 | 2.1 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
どこかコミカルな、淡々とした語りが進むにつれ、"普通の少年のような僕"を包む不思議な空気が浮き彫りになっていくように感じました。ドクロに見える交差点で括りつけられた花束について、深く考えさせられる作品です。個人的に"オドロロ オドロロ"という自動車の音がとても好きです。
0入透さん、ありがとうございます。 僕としても、自動車の音は我ながら好みです。 「普通の少年」を演じる主人公の周りの「普通っぽい景色」の中で、その裏にある「普通じゃない何か」というテーマが鈍く光る、そんな詩を書いてみました。お褒めのお言葉ありがとうございます。
0きっと、深い意味が込められているんでしょうね。花を添えるのも、交差点がドクロなのもなにげにリアリティがあり、一方でゆらゆら幻想的で、追随して構成もとてもしっかり出来ていると思いました! 私には汲み取れないものでも、このサイトの方々なら大丈夫だと思います! いい作品でした。
0せいろんさん、ありがとうございます! 最近は「想像する余地」のある作品を目指していまして、本作もその一つです。とはいえ何も意味を持たずに言葉を選んでいるわけではないので、仰る通り深い意味のある作品です。 構成がしっかりしているとのお言葉、ありがたく頂戴致します。嬉しい限りです。 ゆらゆら幻想的、たしかにそうかもしれません。現実か非現実か、そんな境目をさまようゆらゆら感が本作にはありそうな気がしてきました。 ありがとうございました!次も頑張ります!
0感想 死んだ少年の幽霊、もしくはその魂。 それか、大人になった「僕」が少年だった頃の「僕」を見ている。 そんなようなことを感じました。 批評(?) 「サンタクロースのような 土っぽい自販機は」 サンタクロースは嬉しいイメージが一般的ですが、土っぽい自販機と合わせるのが良さを感じました。 「最後の6文」 詩の全体の要素を含んでおり、読み終わってから最初からまた読ませるような、つくりになっていて技術的な効果を感じました。 ありがとうございます。
0普通を演じていながら、ちょっと非日常なことをしてみて「本当の自分はそうじゃない」とも思っている少年。だけど彼の目に映っているものは結局グリコのシチューだったりコカコーラの自販機だったりといった「商品」でしかない。 とても皮肉で、でも、だからこそとてもリアリティのある作品だと感じました。
0天貫さん、コメントありがとうございます! 僕 の存在は読者に委ねている所もありますが、やはり「普通でない存在」であることで 僕 の謎めいた雰囲気をクローズアップ出来たのではないかと考えています。 サンタクロースの部分は、元々土っぽいという表現はなかったのです。付け足して良かったです。 最後の連ですが、私は最初の連の形や内容を最後に持ってくるのが結構好きでしばしばやってしまいます。効果的に働いているようで安心しました。
0哀愁亭さん、ありがとうございます。 僕 は普通を演じていますね。普通の少年のような僕に安心している僕は、普通の少年の様だと安心している部分が既に普通でないことの紛れもない証であると。その意味で確かに皮肉かなとも思いますし、リアリティを感じてくださって何よりでございます。 お楽しみ頂けたようで幸いです!
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