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惰眠
捨てたように眠っている男の手のすぐ届くところにゴミ箱が倒れている 中のティッシュは先ほど男が嘔吐したために濡れていてつけはなしの電灯の明滅を歪に反射している 男の呼吸は荒く寝汗でしめっている 男は夢を見ている 夢は口からだらしなく漏れ出ている ティッシュの湿り気と混じり合って気だるさがうねり部屋の温度が上がり ひとつの妖怪が成された その長い毛を震わせて 歌を歌っている 男が好きな子守唄 しかしそれは男の母を想起させ男を苦しめた 胎盤に怯えるような生活の姿勢 どうせクズですから 求められてもいないのに笑う 笑うことのくだらなさが笑えなかった 妖怪は袈裟をひるがえして窓から出て行った アスファルトが痛い 夕方が痛い 男はもう何ヶ月も夕日を見ていない 疲弊は夕焼けの色をしている カラスの声が響く、窓
惰眠 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 943.4
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2019-01-31
コメント日時 2019-01-31
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
全ての表現が詩的に統制されて、詩の柔軟さを成して居ると思うのですが、特に 「その長い毛を震わせて 歌を歌っている」や 「男はもう何ヶ月も夕日を見ていない 疲弊は夕焼けの色をしている カラスの声が響く、窓」がいいと思いました。
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