別枠表示
消息
娘が、生まれて五年、生まれた時、お前は俺の全く想像もしてなく、予定外だった可愛さと、病気を抱えて生まれてきてくれた。立ち会わなかった事を後悔はしてない。仕事から早退して妻の元に行くと、赤ん坊は居なくて、別の病院のICUに向かっていた。心配そうな顔を見てから赤ん坊の元に向かった。電話では、お尻にこぶがあり、検査が必要だと告げられた。軽い気持ちで先生の話を聞く、二分脊椎という言葉が出てきた。初めて聴いた言葉だった。神経が脊髄から飛び出しているらしい、すぐとはいわないが手術をしなくてはいけない。一生、障害が残ると言われた。頭が真っ白になった。妻になんて言ったらよいのか、集中治療室の赤ん坊は小さく、元気に泣いている。見た目は普通なのに、小さなコブが出ているだけなのに、車で30分、妻の元に向かい事情を話すとしょんぼりした顔をして、ごめんね、と一言だけつげた。俺は何故こうなったのか調べた。野菜を食べなかったからだ、と妻に怒ったりした。一番励ましたい人に辛く当たったりした。俺も不安だった。神社にお参りもした。妻が動けるようになり、赤ん坊のいる病院に向かった。元気な姿を見て二人泣いた。初めて妻は自分のおっぱいを当てて赤ん坊にミルクをあげた。誰かに教えられたわけでもなく、当たり前に吸う姿を見て、どんな結果でも受け入れる覚悟をもった。手術は8時間かかった。無事に成功したがやはり、排出器官が弱く、導尿はしなくてはいけなくなったが、それ以外は左足が弱いだけで元気に育ってくれた。リハビリのおかげで今は自転車も漕げるようになった。元気に生きている。この子のおかげで障害のある世界を受け入れるようになれた。お誕生日
消息 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1097.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-01-25
コメント日時 2019-01-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
リアリティのある父性を感じました。 強いお父さん、というより、我が子とともにお父さんになっていく、弱くもあり優しさもあり誠実そうな男性が想像できます。 5歳の彼女にはまだ理解できないかもしれないですが、あと20年位したらこの手紙を読んで何か感じ取ってくれるんじゃないかなと思いました。
0レスありがとうございます。 一人で何かを創造する。 自分の中から生まれてくるもの。その全ては想定内でありながら他者との共同では想定外な事が多くなり、愛情も全てに与えられない事もあります。共通する事は親は自分勝手な生き物だな。ということです。自分勝手だからこそ、無償の愛情を注げるのかもしれません。それは作品でも同じだと思います。では。 ん
0