別枠表示
五感で会いたい
あなたに会いたいけど、会えないので。 まずは写真を眺めてみる。 あなたが中で笑ってる。 視覚的にあなたに会えた。 そしたらもっと会いたくなってきた。 次は電話をかけてみる。 あなたの声も笑ってる。 聴覚的にあなたと会えた。 そしたらもっと会いたくなってきた。 それからマックへ行ってみる。 あなたと同じ味を食べている。 味覚的にあなたと会えた。 そしたらもっと会いたくなってきた。 さらにデパートへ行ってみる。 あなたと同じ香水を買ってみる。 嗅覚的にあなたと会えた。 そしたらもっと会いたくなってきた。 でも、どうしても触覚的にあなたと会えない。 直接触れ合うことができない。 そう思うと、もっともっともっともっと会いたくなってきた。 頭にチップを埋め込んで、 電流を流してもらって、 あなたをなんとか思い出す。 まるで肌が触れ合ったような感触を、指先に付けた装置から教えてもらう。 登録したあなたの写真を動かしてもらって、電話の録音から音声を作ってもらって、味覚を感じる装置にハンバーガーのプログラムを入力してもらって、嗅覚を感じる装置に香水を振ってもらう。 そうしてVRの世界に潜る。 あなたと同じあなたを作ってもらう。 五感であなたに会うことができた。 そしたらもっと、あなたに会いたくなった。
五感で会いたい ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 956.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2019-01-23
コメント日時 2019-01-25
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
VRが今らしいですね。これからもっと発展していくので。先を見つめた作品を見せて頂けたらと、思ってしまいましたが、作品の雰囲気が変わってしまいそうですね。
0環希帆乃未さん>コメントありがとうございます! 現代詩と近代詩の違いってなんだろうと思って、題材からそれが区別されるのかな〜と思ったので、"今風"を意識してみました。 作風についてですが、僕はまだ本格的に詩を書こうと思って日が浅いですから、いろいろな作品を作ってチャレンジしている段階です。僕の過去作品を読んでいただくと分かるのですが、それほど統一感はまだないかなと。でも確かに未来とか希望とかいうのを心の底から信じていないタイプの人間なので、そういうのを題材にしてこなかったというのはあるかも。 今月はもう一作投稿できるので、あと一週間で明るい未来に迎えるような作品を少し考えてみようかな〜と思います。
0柿原 凛さん はじめまして。御作にコメントさせて頂きます。「あなた」を強く思いながら、五感のひとつ、ひとつで感じて。触れることができないのは 「あなた」がもうこの世にいないのか、立場や距離が遠い存在なのか、いろいろ想像できる豊かさがありますね。VRに託すところに現代を感じますが、 結局、本物を越えることはなく、本物の「あなた」に会えないことは変わらず続く、というところに現実的なものを感じました。
0夏生さん、はじめまして。コメントありがとうございます! 今回は「会うってなんだろう?」っていう問いから作品としてまとめてみました。 会えなくなった理由を特に指定しなかったのは、会うっていうことに対して会えなくなった理由や会いたい理由を並べると本筋からずれちゃうかなぁと思って、その部分は書かなかったのですが、それを「いろいろ想像できる豊かさ」と捉えていただけたことは、安心というか、悪く捉えられなくてよかったなと思いました。 『水槽の脳』という有名な仮説?思考実験?からヒントを得て、”会いたい人”っていうのは、自分自身がその人のことをその人だと認識していて初めて"会いたい人”になるのであって、五感全てでその人そっくりなものを作ったとしてもそれを本物だと認識できなければ“会いたい人”はただの別の何かでしかないんだなぁと考えました。まさにそれが夏生さんに伝わったのかなと嬉しく思います。
0