栞紐 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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栞紐    

夜の読書はなんだか 読んでいないような気がするけど 流れていく物語の途中で終止符を打って 何ページ目だか覚えてないけど どこから読めばいいかわかるよ栞を挟んだ きちんと上引っ張って 根本で区切ってね  私を雑にしまわないで ぐにゃぐにゃにしないで 言葉の速度は初めは遅く立ち止まってしまうけど 夜を読む度に跳べる 箱にしまう 文字だんごの尾は短く 背中には誇りを毛だち欲しがっている 区切りは旅の終わりと始まりに迷う 夜が来ると顔を見せてくれる ----------------- あの日から夜は暇を失った 原因の所在は鏡に申し付けて欲しいです 開き直りが始まった どうせ面白くない 旅の続きをするより こっちにおいで 気にしないふりして 気にするふりをしても 手を伸ばさないでね 切り開かないでね 家にいなさいとか空が言った時だった 物語の続きを始めよう 指で謎る 揺らぐ言葉の毛を あの栞紐は 赤く柔らかく 語りべが歌い出せるように 顔を開かせた 尾を引っ張って 顔を上げて 旅は続く 言葉の速度は駆け抜ける 目的地まで 終わり道まで  文字の塊が心に溶けていくから 雨は続く夜と終わりまで


栞紐 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 909.6
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-05-05
コメント日時 2017-05-09
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
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構成00
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閲覧指数:909.6
2025/04/16 13時15分51秒現在
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    作品に書かれた推薦文

栞紐 コメントセクション

コメント数(2)
奏熊ととと@所詮詩書き
(2017-05-05)

5月の2作目は既存の作品をアップします。

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まりも
(2017-05-09)

「私を雑にしまわないで」え~!語り手、しおりさん、だったのか・・・という・・・。「夜を読む度に跳べる」こういう、新鮮な感覚、好きです。「文字だんごの尾は短く」こういう生き物が、いるに違いない、という妙な確信を感じてしまう。私は、ハリネズミみたいな(文字をピンピン背にけば立たせているような)生き物を想像しました。「誇りを毛だち欲しがっている」毛達?けだち、と読むのかな、他の部分が、意味は自由に飛んでいるのに文法が全部「正しい」ので、ちょっと引っかかりました。ワザとなのかな・・・わからん・・・「指で謎る 揺らぐ言葉の毛を」謎めいた、意味の理解できない、でも意味のわかる、不思議な何か、を指でなぞる、感じ。言葉の毛・・・ということは、その前の「毛だち」も、言葉の毛立ち、なのかな・・・。 「言葉の速度は駆け抜ける」「文字の塊が心に溶けていくから」ハリネズミみたいな文字だんご君が、心に溶け込んで一緒に疾走していく、ような・・・そこに、夜の雨がしっとりと降り注いでいる、わけですね・・・ 本が閉じられる時、魂も一緒に挟み込んでしまって、本体(肉体)が眠っている間に夜空を旅しているような感じがしました。楽しい。

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投稿作品数: 1