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栞紐
夜の読書はなんだか 読んでいないような気がするけど 流れていく物語の途中で終止符を打って 何ページ目だか覚えてないけど どこから読めばいいかわかるよ栞を挟んだ きちんと上引っ張って 根本で区切ってね 私を雑にしまわないで ぐにゃぐにゃにしないで 言葉の速度は初めは遅く立ち止まってしまうけど 夜を読む度に跳べる 箱にしまう 文字だんごの尾は短く 背中には誇りを毛だち欲しがっている 区切りは旅の終わりと始まりに迷う 夜が来ると顔を見せてくれる ----------------- あの日から夜は暇を失った 原因の所在は鏡に申し付けて欲しいです 開き直りが始まった どうせ面白くない 旅の続きをするより こっちにおいで 気にしないふりして 気にするふりをしても 手を伸ばさないでね 切り開かないでね 家にいなさいとか空が言った時だった 物語の続きを始めよう 指で謎る 揺らぐ言葉の毛を あの栞紐は 赤く柔らかく 語りべが歌い出せるように 顔を開かせた 尾を引っ張って 顔を上げて 旅は続く 言葉の速度は駆け抜ける 目的地まで 終わり道まで 文字の塊が心に溶けていくから 雨は続く夜と終わりまで
栞紐 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 863.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-05-05
コメント日時 2017-05-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
5月の2作目は既存の作品をアップします。
0「私を雑にしまわないで」え~!語り手、しおりさん、だったのか・・・という・・・。「夜を読む度に跳べる」こういう、新鮮な感覚、好きです。「文字だんごの尾は短く」こういう生き物が、いるに違いない、という妙な確信を感じてしまう。私は、ハリネズミみたいな(文字をピンピン背にけば立たせているような)生き物を想像しました。「誇りを毛だち欲しがっている」毛達?けだち、と読むのかな、他の部分が、意味は自由に飛んでいるのに文法が全部「正しい」ので、ちょっと引っかかりました。ワザとなのかな・・・わからん・・・「指で謎る 揺らぐ言葉の毛を」謎めいた、意味の理解できない、でも意味のわかる、不思議な何か、を指でなぞる、感じ。言葉の毛・・・ということは、その前の「毛だち」も、言葉の毛立ち、なのかな・・・。 「言葉の速度は駆け抜ける」「文字の塊が心に溶けていくから」ハリネズミみたいな文字だんご君が、心に溶け込んで一緒に疾走していく、ような・・・そこに、夜の雨がしっとりと降り注いでいる、わけですね・・・ 本が閉じられる時、魂も一緒に挟み込んでしまって、本体(肉体)が眠っている間に夜空を旅しているような感じがしました。楽しい。
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