冬の魔物 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

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これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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冬の魔物    

ありふれた十字路に雪が舞いはじめた夜 横断歩道の足跡にまだ汚れていない未来が降り注ぎ 二階建てのバスの屋根 冷たい銀河は仮死を楽しむ 一日限りの化粧は淡い水彩の希望に満ちて 運命を書き換えるノートは白い数式で埋まってゆく 包帯で両目を隠した少女が交差点で踊りだす 水仙のワンピースを着て 長いジンクホワイトの髪なびかせ 舞い散る雪の花弁よりも輝き くるりら回る ささめく影を無視して沈黙のステップを踏み 伸ばした指先は空まで届き 氷の三日月を撫でる 恋を知った喜びに弾ける体は羊の河を飛び越え 幼い口元にあだっぽい笑みを浮かべる 少女が車に轢かれることはない わたしは壊れた交差点の信号で 残された力を使いすべての信号を赤にしているから 四方からまっかな目で 踊る少女に見とれているのだ 『騒音を立てる車より 音もなく駆ける美しい獣を見せて下さい』 最初で最後の祈りは叶えられた 獣というより魔物に近いものだろうけど 冬を磨くように雪は降り続け 街のせつなさは伝染する 少女は白い光そのもの 蛍の精みたく踊り続ける だけどそろそろお別れだ 修理工がやって来たから


冬の魔物 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 12
P V 数 : 1334.5
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2019-01-03
コメント日時 2019-01-15
#受賞作
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
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閲覧指数:1334.5
2025/04/13 17時39分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

冬の魔物 コメントセクション

コメント数(12)
オオサカダニケ
(2019-01-03)

強烈な雰囲気系の詩なのかな?とおもいました。岩垣氏の過去の詩はルミライがあるものがあるので、ワイは岩垣氏の詩を読み始める時、「楽しみだなあ」とおもって読み始める。今回の詩にはルミライはなかった。 プロに見せれば絶賛されるのかもしれないなあ。

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岩垣弥生
(2019-01-04)

オオサカダニケさま 読んでくださりありがとうございます。 雰囲気系の詩かな、と思われたとのことですが、これは短い物語詩です。ストーリーが伝わらなかったのなら書き方が悪かったのかもしれません。 ルミライがないですか。残念です。ルミライのあるものも書きたいですね。 コメントくださり本当に感謝です。

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岩垣弥生
(2019-01-04)

沙一さま 読んでくださりありがとうございます。 滅多に雪が積もらない土地に住んでいるので、たまに積もると普段見栄えのしない川が雪化粧で目をみはるほど美しくなって、新鮮な感動をおぼえます。 わたしにとっての雪を表現したので雪深い土地に住んでいる人にはあまり共感できないかもしれませんね。 好きと言っていただき嬉しいと同時に恐縮です。 コメントくださり本当に感謝です。

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環希 帆乃未
(2019-01-12)

滅茶苦茶好きなんです。物語詩として。幻惑されてしまいました。何度も読んでいます。

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ほば
(2019-01-13)

美しい……めっちゃ、好きです。いま、語彙が潰れているので、お許しを。

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三浦果実
(2019-01-13)

一言コメントになりますが、タイトルの「冬の魔物」。めちゃくちゃ素晴らしい。

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岩垣弥生
(2019-01-14)

つきみさま 読んでくださりありがとうございます。 つきみさまに滅茶苦茶好きと言っていただき、滅茶苦茶嬉しいです!何度も読んでくださったとのこと、作者冥利につきます。 コメントくださり本当に感謝です。

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岩垣弥生
(2019-01-14)

帆場蔵人さま 読んでくださりありがとうございます。 語彙が潰れている・・・何かあったのでしょうか、心配です。 美しい、好きと言って貰えて光栄です。 ご自愛ください。 コメントくださり本当に感謝です。

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岩垣弥生
(2019-01-14)

みうらさま 読んでくださりありがとうございます。 タイトルは書いている途中はまだ決まっていなくて、本文が完成してからも五つくらいの候補があって、そのなかから決めました。正直これで良かったのか自信がなかったので、褒めていただきほっとしました。 コメントくださり本当に感謝です。

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オオサカダニケ
(2019-01-14)

この詩を参考にしてなんか書いていいっすか?

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オオサカダニケ
(2019-01-14)

あんまりだれもやってないけど、ビーレビは返詩文化歓迎らしい。では本作に対する短めの返詩をします。 「世界の終わりとクレイジ―ダニケランド」(村上ダニ樹) 窓、薄暗い部屋で白いノートが埋められていく 足元で眠る美しい獣 日付が変わって変更線の向こうの世界の部屋一つぶんの今日がこちら側に移された。 僕はシャープペンシルを1周まわして、スタンドライトをつけた

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岩垣弥生
(2019-01-15)

オオサカダニケさま そうですね。 日付が変わって~の一文がわたしにはルミナスラインです。時間と空間の感覚が新しい、発見と言ってもいいと思います。 短詩なので、そのほかの行にもう少しインパクトがあった方が良いかなともかんじますが、破綻するよりこのままがいいですかね。 素敵な返詩ありがとうございましたm(__)m

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