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地面を舐めた
こどもの頃 地面を舐めた どんな味がするのか どんな感触なのか どんなにおいがするのか 地面を見つめるほど 気になって 誰かに聞くことは まどろっこしくて 地面にうつぶせになって 舌をのばして ゆっくり舐めた 転んで口の中に砂が入ったときの 苦味と 舐めても舐めても アイスクリームのように消えてくれない もの悲しさと かたい凸凹に舌が擦れて 痛いのとが 舐めるごとに押し寄せて 舌を口の中に戻すと ざらついた後味が あまりにさみしくて 泣いてしまった 泣きながら 地面を舐めた うんともすんともいわない 地面を
地面を舐めた ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1010.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-05-04
コメント日時 2017-05-06
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
赤土と黒土、砂を、実際に食べて確かめる、ということをやらかした幼稚園時代(だと思っているのですが、わりと鮮明な記憶なので、小学校低学年かも知れません)を経験しているので、共感しながら読みました。 赤土は渋くて、黒土は甘くて、砂は傷口の味、血の味というのか・・・砂鉄の味がしました。 後半の、さみしさに踏み込んでいくところは、夏生さんの独自性が現れているところでしょう。なにも応えてくれない、という、不毛感のような寂しさ、空虚感。 転んだ時、あるいは転ばされたとき、の屈辱や傷みを思い出してしまった、というような、全体をメタファーとしても読めると思います。 地を舐めるほどあなたに近づいたのに、応えてくれない、というような(そこまで読むと、恣意の方に引っ張りすぎになってしまいますが)
0スマホから、です(まりも)
0これはいいなと思いつつ、どう批評すべきかと思っているうちにコメントが遅くなりました。申し訳ありません。 地面を舐める、という行為が、素直に丁寧に、なんのてらいもなく書かれているがゆえに、かえっていろんな暗示的なことを想起させる良作だ、と感じました。 地面。地って、本来「母なる大地」と表現するくらい、暖かくてどっしりとしたイメージが形而上的にはありますよね。でも、実際に舐めてみると苦くてかたくて痛い。・・・それが、実際の舌のざらついた感覚から書かれているところが素晴らしいなと。 現実って、おうおうにして文学的なイメージ。一般的通念からはズレている。なにも応えてくれない大地の感触が鮮烈に残ります。
0経験を共有できる詩だと思いました。 子どもというものの、純粋さが、土からたちのぼるようで、もし、ぼくが同じことをしても、同じように思うだろうという想像が出来た ということを考えます。主観と言うものの透明さを教えてくれたように思いました。さみしいという気持ちを、あまり感じてこなかった ので、もともとさみしいのが人間だよ、だから、そこから立ち上がったり、駆けて行ったりするんだよ、というような、いろいろと 考えさせられる詩でした。ストレートに提示されるところに、潔さも感じました。潔さからのストレートさというのは、いいことに 思いました。
0まりも様 拙作にコメントくださり、ありがとうございます! なぜか地面の味に興味を持って、舐めてしまった記憶がありまして。そこからイメージ広げて書いた詩でした。細部までお読みくださり、ありがとうございます。 朝顔様 良作との評、とてもうれしく思いました。ありがとうございます。読んでくださる方が楽しんでイメージを広げられる作品になれたらと。 黒髪様 経験を共有できる詩、との評、とてもうれしく思いました。ありがとうございます。こどもの頃の興味や行為は後に何かを残す、心のどこかで消えないさみしさ があって。書きながら、良いこと、悪いことの二つ以外にあるものが活かされる面白さを感じました。細部までお読みくださり、ありがとうございます!
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