現況 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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現況    

掘り出された本は、沈黙に応じて光を発していた。 石灰化した表面をていねいに剥がし磨き、封じら れていた声を空に放っていく。 薄くれないの煙状になるときもあれば、黄ばんだ 液体が水中に揺らめき出るように、帯状に立ちの ぼり消えていくときもあった。 空の底にたどりついたら、反響してもどってくる はず、そう言い差したままあの人は消えてしまっ た。受け継いだ水晶のナイフがてのひらにはりつ き、根を張り、からだの一部となって行く。 てのひらを空にかざす。もっと自在に、私の指そ のもののようにナイフをあつかえるようになるま で、幾千回、あの地平から陽が昇るのだろう。 剥がされた切片が、雲母のように煌めいてこぼれ 落ちる。私の周りに広がる、ただ茫漠とつづく白 い砂漠は、私が生み出したものに相違なかった。


現況 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 2
P V 数 : 923.1
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2017-05-04
コメント日時 2017-05-05
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
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前衛性00
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 エンタメ00
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閲覧指数:923.1
2025/04/16 09時20分27秒現在
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    作品に書かれた推薦文

現況 コメントセクション

コメント数(2)
朝顔
(2017-05-04)

磨き抜かれた大理石を思わせる詩です。言葉の選び方も丁寧で、表現の細部がこまやかです。題名ですけれども、このくらい抽象的な方が、この詩に相応しいのかどうでしょうか。後。最後の「相違なかった」は、「違いなかった」と言うような口語体だと、やっぱりまずいでしょうか…。 重箱の隅をつつくようなことを申し上げましたが、これは散文詩のお手本のようです。

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まりも
(2017-05-05)

コメントありがとうございます。 様々な書き方があると思いますので、手本とか見本と言われるとむしろ恐縮してしまいますが(私なりに目指している方向性、ということで言えば) パッと全体を見渡せる分量、非現実的な設定であっても、つじつまというか、ロジックが連なっていて、意味や情景を負っていける可読性があること、幻想性や神秘性を感じる領域に踏み込みたい、そこで現実の影になっているもの、重なりあっているものを、その重層性のままで表せたら・・・というような、欲望は抱いています(笑)

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