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白い粉雪
何処までも続く無色透明の青 ぽつぽつと現れた雲の鱗片が 家族の元へと帰る父の骨の様だ。 炎の熱を帯びた銀の台を眺めたら 思わず声をかけていた。 「お父ちゃんお帰り。熱かったねぇ。」 大きく膨れ上がる感情は ぴぃーんと張り詰めた涙腺を刺激して 鋭い針の先を突き立てるかの如く 腹の奥底に突き刺さる。 それでも 泣けずにいる私を置き去りに 箸を渡る父の骨は からん・・・・。からん・・・・。と 一つ一つ丁寧に 壺の中へ入ってゆく。 母が震える手で箸を握り 父の喉仏を摘まんだ瞬間 はらり。と舞う白い粉は 少し皺が増えた手を包む様に舞い上がり そっと落ちてゆく。 ぎゅーっと目を閉じて 唇を噛み締めたまま 目の端で 母の手を 殺風景な部屋で咲く百合の花を眺めていた。 これからも生きてゆくのだ。 父のいない日常の中 慎ましく 時には孤独と戦って。
白い粉雪 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1156.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-12-24
コメント日時 2018-12-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
現代詩フォーラムを通じてサイトを知りました。 上記のサイトにも投稿をしております、その中でもより明確な意見を伺いたいと考えた作品を投稿させていただきます。宜しくお願い致します。
0投稿ありがとうございます。現フォには毎月B-REVIEW杯の結果を告知していましたが、ちゃんとそれを読んでくれている人がいたと知れてなによりです。 詩の感想を言えば、全体的に表現が安直すぎかなと思いました。題名の粉雪は父の遺骨とつながるわけですが、本文において雪や天気の状態が絡んでくるのは第一連だけで、以降はせいぜい箸渡しの時に「白い粉」と出てくるだけで絡んでこない。死の現場なわけですからもっと全体的に白(=無彩色)のイメージをちりばめてもよかったのではないかなと。私なら「遺族が円になった部屋の天井には棒型の蛍光灯が並んでいて/それが発する寒色の光は物々の彩度を削いでいる」とかって表現を入れます。あと百合も白百合にして。アクセントとして色を入れるにしても全体の雰囲気をこうやって統一すれば色の部分が映えるわけです。この詩の場合は「青」が真っ先に出てきてしまっていて、しかし空のイメージはその行以外は絡んでこないわけだからつまりせっかくいれた色も効果が出せていない。加えてつまらない指摘をすれば「無色透明の青」といきなり矛盾した表現になってしまっています。透明だけだったらセーフでしたが。詳しくはWikipedia読んでください。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E8%89%B2 他にも最終連の「生きていくのだ」や「孤独と戦って」という表現は直接的すぎて陳腐だなとか色々と思うところはありますが、とりあえずはこのくらいで。
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