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詩 第二十
私の鼓動、音ほどもなく ぽっ、と ぽっ、と 燃え上がっては、消えてゆく ほら、青空へ 鳥が駆けてくよ 遠くへ 遠くへ 翔け上がって 消えてった 檻は、優しかった。 檻なら何も言わなかった。 光が、私を倒してくれたなら こんなにも素直に、生きようとなんて思わなかったのに。 散らかった服。汚れた肺。濡れたままの毛布。 夢は、お終いごろ、煙のように体を軽くして 手にはたばこ。 そして首には、 重い縄。命より重い縄。 ああ、あの星空が、ヴェールなら 今すぐ、くしゃくしゃに千切ってやるのに。 首を悩ませば、悩ますほど ……檻は、優しかった。 命の孤独は私に何も言わなかった。 何も、言わなかった……。 そして、あなたがきた。 小路を抜けてきた。高架下を歩いてきた。 独りで。小さい靴を健気に鳴らして。 落ちたイチョウ。その茶色い土くれのうえで あなたは、待っていた。私は泣いた あなたが、私の死だった。 そして、私は 私の苦しみを許すのだ。 他でもない、明日 この檻の向こうで。 向こうで……。
詩 第二十 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1140.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-12-10
コメント日時 2018-12-13
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
拝見しました。 死への願望をチラつかせながら詩が進行していき、結果を語らずともなんとも切ない気持ちにさせてくれます。 「何も、言わなかった」「向こうで」といった、繰り返し使われる用語の差し込み具合が丁度よく、面白く読むことが出来ました。
0自由を求めながら自由を得られない。それがために死への誘惑に脅かされている、という印象を受けました。悪くないです。ちょっとした驚きもあっていい。だがそれよりも驚きなのは筆者様が詩作品に「番号」しかつけずにタイトリングしていないところ。よほど筆者様に描きたい一貫したモチーフ、テーマがあるのでしょう、とうかがわせます。
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