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選評
嗚呼、モサクを思い出す。 初のワンポイントキュレーションを書いてみます。 推薦するのはgalapaさんの「ピピ(十二歳の犬へ)」です。 作者と年老いた飼い犬の日常の一コマを描いたこの作品、さらっと読むだけでも光景が生き生きと目の前に浮かんでくる。 顔も白くなり、かつての軽やかな動きも失われ、”大きな手術をして今は回復期だ/お尻の毛は刈られ縫い後も痛々しい”それでも全力で生きる老犬。 そして”俺はおまえに首輪をかけたが/芸は教え込まなかった”な作者の視点が何とも言えない。 個人的に素晴らしく思うのが、簡潔な日常の言葉による表現。 >いいよ、お眠り >俺のベッドに飛びのり >熱い一杯のスープのように >なみなみに注がれた夢のなかで 眠り、うたたねをこうも簡潔に詩的に表したのを見たことがない。 >春風の礫は鼻先で弾けろ 風をこのように書いたのも秀逸。作者と老犬が一瞬10年前に戻ったかのようだ。 galapaさんは日常的に使う言葉を詩的にするのがとても上手い様子。 先月と今月早くも投稿した作品をみて、強く思いました。 気が早いですが来月もまた投稿してほしいです。 ピピの健康を祈りつつ。 そろそろモサク(実家で飼っていた17年の天寿を全うした犬)の命日に。
選評 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 988.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
作成日時 2018-12-02
コメント日時 2018-12-09
galapaさん、こんにちは。 仕事が忙しく、返事が遅れてしまいました。 選評を気に入っていただき何よりです。 モサクがいたから余計に熱が入ったかもしれません。 モサクに合掌しつつ。
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