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自我
洗面器に意の中のすべてをぶちまけた夜が思い出させた前世の記憶 同じように座して 王族に生まれたかった 王子になりたかった そうはなれなかったことを妬んで 自らこそ真に高貴たる者と思い込むほかなかった 偉そうに そうして今も惨めに引きずっている … 渦巻くカッターの刃が切り刻んだ 「殺してやる」 おぞましき憎悪の住まう地獄色の塔 この中に探しに 会いに行かねばならないのか でも入り口がどこにもない もっと深く 深く入り込まなくては開かない もっと深く 深く 入り込もうとすると 真っ暗闇に赤と緑のネオンの木目が現れて 恐怖が覗き込む … くたびれ果てて千切れたりした消しゴムか縫いぐるみの 心配でぼろぼろになったキティちゃんに似たやさしい存在 涙をこぼしながらほほ笑んで 抱きしめてくれたこの神さまが お母さんだとすぐにわかった … くだらない憧れは 自由になる為に親を棄てる 硯を洗った筆の 垂れ落ちた水の色 帰れない孤独の 母親に泣きつく場所 ブラックホール そこには何も無い ただ黒いだけ
自我 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 953.2
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-30
コメント日時 2018-11-30
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
情感の高まりが感じられる地獄色の塔のところや、くだらない憧れや、ただ黒いだけと言う認識。恐怖が覗き込む深淵。最初に出て来る前世の記憶は案外に幸せを隠しているのかもしれません。穿った見方ですが。全体の調子を反芻しながら読みたい詩だと思いました。
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