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あとひとつきで、な(ね)つは
昼間でも薄暗い台所の掃除をしている 庭が雑草で溢れているので、それも何とかしなければならない 草刈りや床の雑巾がけは間に合わないほどの速さで家は朽ちていく 時々水分と塩分を補給して、少しだけ寿命をのばす 「きょうの料理」が棚から滑り落ちる 模様入りの窓はひび割れている 住宅街はとても静かだ 緑色の光が台所を照らした グラスの水滴がぬるく輝く いつからだろうか 蝉の声が死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねと連呼しているように聞こえて、夏を恐れた 抗うかのように、水分と塩分を補給し 少しだけ生き延びる 生き延びた草を刈る 人間には根っこがないから 否、根っこはあるはずなのに 刈り取ると生き延びられないのだ 今はまだ、 熱に追い立てられて 生きながらえている
あとひとつきで、な(ね)つは ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 891.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-20
コメント日時 2018-11-22
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
セミの声がしねに聞こえるとこは、共感します。アブラゼミか、クマゼミのどちらかですよね。 風景が思い浮かんで、最初の場面で家にいることがすぐわかるような表現が上手な詩だなと思いました。
0コメントありがとうございます。きっとそういう風に聞こえている人は他にもいるだろうな、と思いつつ、あえてググったり人に訊いたりしませんでした(怖いので)。だから詩に入れるのもずっとためらいながら、でも入れてみたいと思っていたエピソードです。
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