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夜
夜、暗闇の中でだけ 動けた 気持ちと視界、たった一人でもちろん宴なんてない 自分の制御を失って 小さくなって どんどん小さくなって 心は消えた 何が悪いか考えると 僕自身の存在が醜悪だという事に行きつく 醜くて悪い 存在の仕方がダメという 自分だけのものなどなくて 夜の中でだけ自分を消せた 十分に消せた 十分に消せた 破壊衝動さえ押さえつけて 自分を破壊する 愛なんてかけらさえもない 苦しみと無為だけが僕 美しかったのはボーイスカウトのバスの中で 気があったやつがいたこと 同じやつが大嫌いで 切った野菜は精霊が祝福した これは昼間のこと だんだんと暗くなる前に 黒い雲が涙を流す前に 亡くなる前に 心が行違う前に 歌が終わる前に 嫌いになる前に 機会を理解する 生きている意味を掴もうとすることのために周りを認識しようとすること 駄弁の中に聞く価値のある言葉が隠れているから それを見つけたときの喜びを 生きているうちに何度か訪れる瞬時のことを忘れないようにしている 答えを欲しくはない 気がおかしくなっても風は吹く それを感じる余裕がないかもしれないが 怖いの怖くないの 生きているうちに答えは欲しくない 人の声と人の雰囲気に 生はすべてを差別せず魂を含んでいる 輝く球体の何がそんなに尊いのかはよくわからないけれど 自分の思い通りにすることを人のために抑制すること あの時の美しい魂 グロテスクな魂の明かり 夢は白いテーブルの上 腐ってゆくものがいとおしい 何もできない 唇を寄せて そのうえで昔を 振り返るような年齢になった 何一つわからないと 消していた自分のことを考えてあげよう 救いあげるということは貶められたこととの間に 行為する魂を信じることが十分だ 怖いなあ 人のことで腹を立てたりしたけど だんだん減っていく時間は絶対に戻らない 怖いなあと 死を恐れる 無になろうとしていた自分 予行演習はすませて 何のために生きているの 生きていることはまるで冗談みたいだ とびきり良い冗談を思いつきたい 宇宙の無に帰っていく星もあるだろう 血のしみ込んだプラネット 声を聴けば今不満だけが漏れてくるようなこの星の人 神様は泣いているかもしれない でもそれはセミが鳴いているのと同じこと カエルが鳴いているのと同じこと 四季の移り変わりの中に 何か自分を許し他人を大切にできるような何かがあるのかもしれない 憶測を遠ざけておいて今すべきは季節を観測することだ はらはらと落ちてくるその中に 埋もれてしまいそう 季節は変わる 僕が死んでも 声を季節とそろえよう そして知るということの中には 死についてのことも含まれている 唯一怖くなくなる方法は きっと人としてすべてを知ること 自分自身を知ることが 自分らしさとつながるんじゃないだろうか 自分らしい死なんてものはないのだから 自らに死を課しつつ生きてはならないだろう 一体自分がいくつの美しい満足を持っていけるか そんなことを探りながら生きている ああつまり大人なんだ やっと大人なんだ 自分ですべてを決めるんだ 魂の自由を死に対置して 季節を数え季節を生きて 冷たいと思うことでびっくりしたりして 色んなことにびっくりして 気をそらされること 夢は愛の一面であり 僕の見た夢の中にも苦しみを軽減するようなものがあった 僕には何か決定的な罪があるような気がする だから生きるのだ 償うのだ その罪は人に関することだ 人々に関することだ 人同士のことだ つまり死ぬということが苦痛を伴うものであり どんな素晴らしい人であってもいつかは心を閉じねばならない 生について書かれた本がいくつもあること 幾十億の夢が毎夜みられること 朝日を待つ気持ち 毎日の繰り返し 毎日は作り上げるものだということ 全ての日があの世とつながっていて 全ての日が完全へと向かっている 救いはその修行の意味を知ること 因果の意味をとらえた人の作る毎日がどんなものであるか知り真似すること 想えば恋の発端はそういう悟りにつながっていたような気がする 普通でも美しくても昼と夜は繰り返す 毎日に異変が起こること それを快く思う人も思わない人もいる だがどちらにせよそれは構わないのだ いつもの日のように 何もなかったかのように 解決と傷の痕 何かが変わってしまっても 人のしたことあるいは 自然のしたこと 僕の目にはうつろに見える 逃げているのかもしれない 怖いと思って だが、自分のことだけを考えているわけではない 不気味な過去より明日のことを考えている
夜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1101.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-14
コメント日時 2018-11-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
黒髪さん、圧倒的に突き抜けてる。自分語りをうんざりするぐらいに否定されてきた僕らにあってずる賢い僕は逃げた。黒髪さんは真っ向から突き進まれていた。少なくとも僕はそう見ていた。レトリックやら暗喩やら新しい言語やらと比較されても内面を、自分とは一体なんなのかという問いをやめなかった。評価など他の誰かが受けておけと、ネット詩というある種ろくでもないコミュニティにおいて貫くことは難しい。少なくとも僕には勇気がない。駄文のコメントになってしまい申し訳ないが、黒髪さんという人物がそのままに表現された素晴らしい作品だと思う。魂などと言ってしまうとくさすぎるかもしれないが、それが込めた作品としか言い表せない。
0みうらさん、読んでくださりありがとうございます。 自分語りは、自分を理解しようとする直接的な方法。自分を理解しながら書いていく。 それは時には自分だけのナルシスティックな世界になったり、重要度が人と違っていたりします。 だけど、僕は今回は長くなりましたが、詩というのは、自分独自の声を届ける場所です。 面白いことを言えば他人はおっと思うし、聞き逃せない本音が詰まった言葉もある。 僕は、みうらさんは、自分にできることが少なかったんでしょう。みうらさんの神話詩は、大変 面白かったですよ。難解な言葉も使われて、どんどんうまくなっていると思います。 そういう時期なんだと思います。どこを伸ばすかの。時期が変われば、また別の個所で 成長するようになる。おたがい、後悔のないよう詩作、読詩をしていきたいものですね。 たしかに、評価は、あまりにもらえないので気にする程度が少なくなりました(笑 魂というものに、僕はある程度信をおきつつ、逃れられないなあとも、感じています。 お褒めの言葉に預かり光栄です。いつもですが、自分の書く言葉が、みすぼらしいような 気がしていました。精進します。
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