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落星の日
トラックに積まれた豚が鳴いて、車輪がコンクリートを転がり進んでいったけど、目の前の画面を見ているぼくには関係がない。 、お昼に残しておいた昨日の生姜焼きをあたためて、ほっかほかの白米と共に頂くのは、美味しくてとても気分がいい、 青天白日、テレビとランチと休日の甘味に彩られて容易く未来を思索する。今日は何をしようか、地獄見物も悪くないし、天国旅行も楽しそうだ、落星に乗って10億年前を見に行くのもいい、あの頃の私は何者だったのか、うねうねの藻だったのかもしれないし、海中を漂う海月だったのかもしれない、君と同じで。 星の降る夜が美しいのは、あなたが死んだからだよ、そう言ってくれた人が私にもいて、その人だけが愛おしかった。 まぁのちのちにそれは嘘だと分かるのだけれど、落星の日に空ばかりが気になって、計算ドリルが終わらないのはそういうあなたを思い出すから、だからあなたのせいです、先生にそう伝えたら、分かってくれるだろうか。いや、先生はだいたいばかだから、きっと私の怠惰だといってきかないだろうな。 落星の夜が美しいなんていうのは嘘で、空から降るのは豚ばかり、 愛しの言葉を送ってくれたあなたは数億年前から帰ってきやしないし、わたしを1人にして美しく輝いている空なんて 、ちっとも美しくない。 計算ドリルに火を付けて空へ落とした。きっとあなたとわたしは平行線で、今度はあなたのもとへわたしが帰る番だったんだ、それに気付けなかったから、空は醜くあなたが憎い。 とりあえず計算ドリルだけ落としておくから、それを見たらわたしの怠惰を許してほしい、ごめんなさい、ベランダに裸で駆けだして、今行くよ、と呟いた。 11/1
落星の日 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 910.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-01
コメント日時 2018-11-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
もっと!もっと国民に表現の無限をくださいませ!、私は言った
0拝見しました。 これは凄く良い作品ではないでしょうか。内容的には、殺される豚、それを身近に感じない者、の能天気な思考、と割と食傷気味にも思えますが、また後半のドリルが出来てないことを他人のせいにして、かつ、ばかだから、聞かないだろう、と切り捨てる最低っぷり、その様を非常に丁寧に編み込まれている様子が伺えます。その理由の一つとして、掘り下げても掴みづらいレトリックを多様しつつも、全体像は把握しやすく作られている点、文章量はそこそこ多くとも何故かさらりと読めてしまう点、本作は非常に緻密に計算された、優れた詩です。
0ruraさんへ。「落星の日」感想です。私にはちょっと読み辛かったです。途切れない一瞬の、感じる、おもい、考えを、見たような気がしました。
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