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祝祭
青空が赤く燃え上がる ジャックオランタンが火を零した 雲に燃え移り 鏡に反射し 人々を赤く染め スマホ画面も赤くなる 空が西から焦げて行く マンホール地下鉄黒点から 老若男女、死者生者が 影を引きずりながら溢れ出る (摩擦音の重奏) 電脳フランケンシュタイン(私と私以外の間の怪物として) 北極星に向けて歌う (咆哮にしか聞こえず探査隊は撤退した。聞き取れたのは「我が子よ」のみ。返信は大気圏で燃え尽きる) エレクトリカルゾンビの明滅 情報の幽霊、喧騒の亡霊 ミイラになった少年少女、公転周期を呪う チャーチグリムの案内 道徳的規範的吸血鬼は十字架を恐れず 停止者たちの加速度的成長 グレムリンは自己改造し 産業革命の太陽が落ちた ゴルゴーンとペガサスの近親相姦 クラシカル気取りも新派気取りも石になり コンクリートに混ぜられる 大衆はエンターテイメントを求める 信仰も芸術も定向進化不能 馬鹿笑いのポルターガイストが 歴史をひったくって打ち捨てる だからへべれけなオオカミ男 マリファナ仕掛のセイレーンは 若きレプラコーンを誘惑する 君が恋破れるたび君が夢破れるたび 君が何か破れるたび 濡らされる布団の怨讐が おばけの代名詞としての怪物を成す みな魔女皮の軍靴を履いている コツンコツンと鳴らしながら マリアの処女膜を追悼する 「願わくば来世にては人間とモグラ以外になってくれ」 みな一様に提灯を持っている 株が暴落したのでかぼちゃに鞍替えしたのだ けれど僕らは侍と見分けが付かない 鼻毛を抜き忘れたキリストでは彼らを滅せず 人間は口から蝶をはきだして (金、銀、黒白灰色、虹色薔薇色、燃えている、凍っている、帯電している、まだらに紅葉した木々と交配してホシモドキを産む) (一枚二枚と少しずつ増えていたように見えた紅はもうずいぶん多くなっていた。若々しい緑色や露出した枝を含め独創的な模様のようで今年のトレンドになるかもしれない。朝日に夕日に照らされながら寂しげに揺れている) 彼らに迎合する しかし彼らは人間に迎合し 人口は著しく減少し目も耳も鼻も減少し 目も耳も鼻も尋常ならざる数の者たちの 数が増え続ければ 多様性という言葉が意味をなさないサラダボウルが現出する #百鬼夜行アップデート 色がごった返して色をなさない宇宙的な色 白行きで二酸化炭素過多になり 酸欠気味のスケルトン 空は半分焼け落ちて 灰で天使がむせ返る 咳は光の粒になって 提灯をひっくり返し 灯火は街を覆う 熱気に浮かれた者たちの狂騒で あらゆる寂しい音は歪められて バンシーのすすり泣きも軽妙さを孕む ・精神のヒートアップ ・秩序=理性の剥離 デュオニスが目を覚ませば うねりは尚一層激しく 地下地上天上に満ち とうとう炭になった空に穴が空いた 炎や怪物たちが吸い込まれて行く 穴はオレンジの月になって 東京駅に落下した
祝祭 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 993.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-11-01
コメント日時 2018-11-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
久しぶりにコメント少ない順にソートして閲覧をしてみたら、一つもコメントが付いていない作品を見つけてしまった。で、読んだんだけど、これ面白いですよ。一定レベルの面白さ以上にはある作品だと思う。とんでもなく面白いわけではなく。そんなこと狙って書かれていなかったらごめんなさい。 まったく作品に関係のない話ですが、こちらの掲示板、とんでもなく投稿量が増えていて2週間誰も読んでいなかった、なんてことは多発すると思います。
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