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残響
生まれてきたときに、何を掴んでいたのだろう。 僕が死ぬときには、何を感じるのだろう。 そっと胸に手をあてて、思案する。 君と初めて見つめ合ったとき、何かを感じた気がした。 君を最初に抱きしめたとき、何かを背負った気がした。 そっと心を整理して、夢幻の中に沈めていく。 君との恋が少しだけよそよそしくなった頃。 何かを探していた、何かを見つめていた、僕。 そっと明日を俯瞰して、君にかける言葉を求めていた。 ついには、何も話さなくなった秋の始まり。 永遠にも似た沈黙が、 青春という言葉の響きにはあまりにも痛々しくて。 君が好きだった。 ほんとはね、君と結婚したかったんだ。 数年後。 ひとりぼっちのチャペル。 あの日、君が爪弾いた愛の残響は何処に消えたのだろう?
残響 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 926.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-09-30
コメント日時 2018-10-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
〈君を最初に抱きしめたとき、何かを背負った気がした。〉 その「何か」を、つきつめていく、探っていく、言葉にするとしたら、どのような表現が、一番しっくり来るんだろう、と、問い続ける・・・そこから、あなた自身の詩、あなたにしか書けない詩、に、なっていくように思います。 つい、感傷に浸ってしまいそうになる、その瀬戸際で、どう、踏みとどまるか。そこを攻めていってほしいと思いました。
0冒頭の生死の問いが自身の生に対する意味の探索であるとすると、到達点としての、結婚願望の提示を伴う「あの日、君が爪弾いた愛の残響は何処に消えたのだろう?」という拘泥では、ここで振り返る対象としての「君」は最早かつての承認者としては存在しない以上、結局意味を見出すことが出来ないまま終わるように思いました。この作品の問いが「そっと胸に手をあてて、思案する」目標として生の意味に対するものであるとすれば、それが価値喪失として終わるべきではないように感じています。この点から言えば末尾の五行には個人的に物足りなさを感じており、それは「君が好きだった」という語り手の告白相手は我々ではないのに我々に語っているという奇異なズレにもあるのかもしれないと考えています。とはいえ、それ以前の振り返りの部分では2+1の3行でそれぞれの場面が描かれており、簡潔に語り手の振り返りが語られていると感じました。また前半部では開けた語りの方に近づいているように感じたため、個人的には好ましく感じました。
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