家 - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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たしかにそのひとは 扉を叩かずに 時々やってくる そのひとをとりあえず わたしは招き入れる 用件はわからないが 椅子に座るよううながす 同じテーブルで 向かい合いながら 夕食などをともにする 一日の事や世間話 いろいろ話しかける そのひとは 口をもぐもぐさせながら 相打ちをすることも 言葉を返すこともなく ただずるずる鼻をならし 目をぱちくりと瞬かせる 脚をもぞもぞさせる そのうち夕食が終わり ベッドに横たわり おやすみを言って 部屋の明かりを消す バタンとその時 扉の音がする


家 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 1439.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-09-08
コメント日時 2018-10-15
#受賞作
項目全期間(2025/04/16現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
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 エンタメ00
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閲覧指数:1439.2
2025/04/16 17時47分12秒現在
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    作品に書かれた推薦文

家 コメントセクション

コメント数(8)
stereotype2085
(2018-09-09)

「この人」というのは家人のことでしょうか。だとしたら夫婦間? の冷え切った関係、距離感が短い中に描かれていて、読み手がちょっとした衝撃を受けるのに充分だと思います。何か非があるところを探そうとも思いましたが、なかったです。

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ほば
(2018-09-09)

これが近所の人だったら怖すぎるわけで 冷え切った関係の夫婦か、親と子だと読むのだと思いました。関係がわからない、解らないけど全く知らないわけではないことは読んでいて解る。曖昧で地に足がつかない感覚を淡々と上手く描かれていますね。

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まりも
(2018-09-09)

もぐもぐ、ずるずる、ぱちくり、もぞもぞ・・・そして、バタン。 あえて、なのか、思わず、なのかはわかりませんが、誰もが使う、使い古されたような擬音や擬態語を使うことで現れて来るのは、絵本を読んでいるような、昔話を聞いているような感覚でした。 無言で食事を済ませた後、その相手に「おやすみ」を言う、のは、語り手なのか。 あるいは、ベッドに横たわり、から先は、語り手の話になっていて、扉から出ていくのは、無言で食事をしていた、その人、なのか。 自分の「家」での、家族とのひとコマ、とも読めますし、 ひとりの夜、家が広く感じられるような夜に、自分自身の影が自分を訪ねて来る、そんな生霊体験を思い描くのも面白いのではないか、と思いつつ・・・家、という題名が、どのように働いているのか、ということを考えさせられました。これは、イエ、と読むのか。うちでは、こんな夕食の光景でね・・・という場合の、ウチ、と読むのか。そんなことも含めて。

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湯煙
(2018-09-13)

・stereotype2085さん この人は語り手にも不明です。語り手自身かもですが、それも不明とします。冷えた夫婦であればなお不気味さがありますが、夫婦もまたありかとは思います。 ありがとうございました。 ・帆場蔵人さん そうですね。御近所の方なのか宇宙の方か

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左部右人
(2018-09-20)

とても素敵なイイ詩ですね。「わたし」と「そのひと」の関係性に思いを巡らすのは意味のないことだなと思いました。そして、そのように思わせる詩のなんと自由なことでしょう。「わたし」にとっても「そのひと」が誰かなんて関係ないんじゃないかなと感じます。感想を書いている間に10回は読みました。また読み返すと思います。私たちの生きる世界とは違った法則が「わたし」と「そのひと」の間には働いているんじゃないかなと思いました。分からないままに読み通せる面白い詩です。具体的な作家を挙げるのは恐縮ですが、デュラスの作品に漂う浮遊感と似たようなものを感じました。素敵な詩をありがとうございます。私はタイトルも好きです。

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湯煙
(2018-10-01)

左部右人さん そうですね、わからないですし、それでよいのだとも思います。混沌といった概念がありますが、あるいは法でしょうか。おそらくそうしたことを示すのかなとも。作り込みについてはあっさりにし過ぎで難ありと、そんなことも思いますので、一考したいですが。タイトルはやはりムズカシイです。参考になりました。はい。 ありがとうございました。

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藤 一紀
(2018-10-15)

こんばんは。「そのひと」の素姓は不明のまま、「わたし」によって捉えられた様子だけで語りが進行する。それが「そのひと」の存在にリアリティを与えている。明らかにされないまま、作品が終わってしまうので、「結局そのひと」は何(者)だったのか?という謎が読み手に残される。とても優れた作品と思う。

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じゅう
(2018-10-15)

拝読しました。最初は恐る恐る読んでいましたが、途中で勝手に猫とかなにかかと思い直し、ほっこりしていました。が、最終連で再びどきりとしました。やはり、ヒトガタの何かなのですね。 普段、何も気にしていなかった所が、突然気になって気になって仕方なくなるような形の恐怖でした。

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