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灯台
堆く積まれていく いやな思いの判例集 索引のなかに 自身を迷い混ませても 素早く引けない これは 抱えきるべきもの 必要な箇所に気が付くまで 過失は繰り返される こんなこともあった あんなこともあるだろう 夜になったらすぐ眠った 顔を覆うように その手が 名も覆う 態度も覆う 示すべきすべてのものを 怠惰や ため息を覆い尽くす 氏は 改めてなかった 書庫にこもり 屹立するものに向かう いやだいやだと感じながら 眠るためにページを捲る そして夜になったらすぐ眠った これも人間の生活 ○月○日の確かな記録 手はページを捲るだろう 顔を覆うだろう いやなものに触り 好きだといって迎えに行く 手では支えきれない 堆いものを灯台として 海の暗がりを すでに眠っている氏が 遠くまで 遠くまで 光らせる
灯台 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 912.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-08-11
コメント日時 2018-08-17
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
家事や書類の返送など、面倒で後回しにしてしまいがちな今日の私をやさしく諭してくれているようでとても沁みました。大きな眼差しを感じます。手を差し伸べるでもなく、ただ見つめるだけの大きな存在を感じます。だから何度も読みたくなります。何もかも投げ捨てたくなったときに頼りたくなる作品です。
0「いやな思いの判例集」が堆く積まれているのに、最後はその「いやな思いの判例集」が力強く灯台となり、海の暗がりを照らす、という展開は「底」に落ちたあとの「希望」を感じさせ、とても僕好みでした。
0〈いやなものに触り 好きだといって迎えに行く〉 嫌なもの、を、好きなもの、へと変換する、そんな考え方、感じ方の反転を起こしたい、ということなのかな・・・ 〈氏〉は死や詩と発音が同じですね。そんなことも、ちょっと脳裡をよぎりました。
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