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蜜の夜
砂浜から海に向かって投げる林檎の数は一億個 大蒜の夕暮れに咳をする携帯電話は地下鉄の川 酪農家が賑やかに踊るワルツは鍾乳洞のドーナッツ 私の考えが間違っているのなら、この頬を叩きなさい 蜂蜜を塗られた君の唇を食パンに挟んで焼こうか どうしてもっと荒々しく声をあげ叫ばないのかい 蝋人形の深海魚は火山の炎を食し、雷の雨を笑う キリギリス、この甘酸っぱい快楽の友よ 古代ギリシャ人の詭弁がトマトの実をもいで投げる ただ後悔の空で桃色のランジェリーを眉に浮かべ 死に近づくことを恐れながら命の手まり唄 昨日の告白は今日の苦しみの外側、忍耐の鉄棒遊戯 さあ、もう一度全力で走りながら腐った林檎をかじろう 水平線の向こう側で、アイロンをかける蝙蝠の群れが 巨大なアスパラガスのてっぺんから飛び降りる こんなにも寂しくて一人ぼっちで、満ちた計量カップ 変わり者、君は変わり者、君は僕らとは違う人種 何度言われようとも扇風機でエベレストまで飛ばす ごみ箱の中はスミレの花でいっぱいで 唾液は階段の下からアイスクリームの液体固体 試験に落ちた夜中のデート、空き缶ころころ夏の雨 ストレンジャー、片眼の捨て猫、公園の風、風 右に進めばランドセル、左に進めばシャネルのお風呂 微笑んで、笑って、泣いて、絶望して、また微笑んで そうやって私とあなたは甘い蜜の夜に結ばれる
蜜の夜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 893.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-06-22
コメント日時 2018-06-26
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
砂浜から海に向かって投げる林檎の数は一億個 この立ち上がりにひかれましたが・・・全体は自由律短歌の連作のようなムードですね。 全体の構成が、気持ちの波立ちや二人の関係性の変化などをもう少し明示する方向に向かっていると、登場人物の姿や、背後の物語をもっと探索したくなるような気もしました。
0まりも様 この度はコメントをいただき感謝いたします。
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