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おやすみ、カタツムリ
風は煩く吹きわたしの蝸牛(かぎゅう)を錆びつかせた 世界の時刻は進み、わたしの歩みを遅くする 耳鳴りは軋む歯車 砂塵を噛んで回らぬ舌、味蕾は恐らくミネラル不足 踏切の点滅と噛み合わない警報音に平衡感覚を奪われた 脱線事故に巻き込まれる終止符 ピリオドは行方不明のまま 道端のハルジオンは二拍子を刻み続ける 安価なクォーツ時計の正確さに平伏し血眼で消失点を探す目 飛び出す変拍子のまばたきが繰り出した雨 わたしは完璧な水晶が欲しい 乱反射する光に耐えきれないなら眠れ 遮断機の向こう駆け抜ける列車に背を向け 今はただ目を瞑れカタツムリ
おやすみ、カタツムリ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1131.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-05-07
コメント日時 2018-06-09
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
最近は雨の日が続く5月ですが、そんな今の妙な気候にマッチする作品だなあという印象です。カタツムリはどこに生息するんだったかなあ、なんて考えなければいけないぐらい、大人になって目にしていないんですが、本作にある、「終止符」のように不明な生き物だよなあって思い出しました。カタツムリにとって終止符とは、「ピリオドは行方不明のまま」だなあって、思い出したんです。 投稿ありがとうございます。
0三浦果実さん お読み頂き有難うございます。 カタツムリ、小学生くらいまでは梅雨となればあちこちで目にしたのに、最近は本当に見かけなくなりました。彼らはどこへ行ってしまったのでしょうか。 遮断機の点滅と音のズレ、私はあれがいつも不思議でした。遮断機の光と音はセットだと思っていたのにそれぞれ違うリズムで動いている。結局は別々の存在なのですね。 雨とセットだと思っていたカタツムリも、きっとどこかで彼らのペースで生きているのでしょう。もしかしたら、子どもたちの目線では見えているのかも知れませんね。私も私のペースを早く掴みたいものです。 コメント有難うございました!
0こんにちは。世の中は音に溢れていて、煩く感じることがあります。音というのは音だけではなくて、視覚によってとらえられるもの、動きもそのリズムによって音のように煩く感じるし、ひとたびそっちに意識が向くと、脳内に音と形が溢れて、目も耳も塞ぎたくなることさえあります。 ああ、だからカタツムリは片方だけ目を瞑っているのか。なんつて。
0カタツムリの殻はよく目にします。このちょっぴり難しく癖のある感じ、たまりませんわ。とても好きな詩です。
0おはようございます。お読みいただき有難うございます! 藤一紀さん 仰るとおりです。音楽も、詩を読むのも、SNSも基本的にはとても好きで、そのために何とか時間を作っていたりするのですが、時々全く受け付けなくなる時があります。「好き」という感情は確かに変わらないのにそれを楽しめない時が不規則な周期で訪れます。流れてくる情報に気持ちが追いつかなくて焦り、無理に合わせようとして酷く疲れる。そんな時は目を瞑って、全てをシャットアウトして、自らのリズムを整えることがきっと大切なのかな…と。 カタツムリは片方瞑った目で常に自分のペースを保っているのかもしれませんね…(´∀`*) 有難うございます! 陽向さん 殻でさえ最近は見なくなりました!見ようとしていないだけなのかもしれませんね…これからの時期は紫陽花だけでなく、カタツムリも探してみようと思います(*´ ˘ `*) とても好きな詩と仰っていただいて、大変恐縮です!有難うございます!! 中程さん 途中送信気づきませんでした(_;)すみません。 「紙聖代」は存じ上げませんでした。とても壮大な内容のようですね…!Amazonの説明欄に「内宇宙へ指向する者の「聖書(バイブル)」的な役割を果たしている 」とありとても興味がわきました。こうしたコメントを頂くと私も新しい世界を知るきっかけになりとても興奮します。有難うございます!
0世界の時刻は進み、わたしの歩みを遅くする 耳鳴りは軋む歯車 ピリオドは行方不明のまま 道端のハルジオンは二拍子を刻み続ける 飛び出す変拍子のまばたきが繰り出した雨 わたしは完璧な水晶が欲しい 乱反射する光に耐えきれないなら眠れ こうした詩行が、印象に残りました。 ソネットの形式を踏襲しているようにも見えますが・・・もしかすると、もっと自由に開いていった方が、詩行どうしの連結がもっと面白く動いたかもしれません。 踏切のカンカンカン・・・という音が、気持ちを波立たせる、という層と、世界の時間と私の時間、というズレの感覚の層と・・・カタツムリに眼をとめたり、ハルジオンの揺れに眼をとめたりしている層が、脱線事故の幻影(?)という、時間の流れを断ち切る強力な外圧を夢想している層、さらには・・・クオーツからの連想だと思うのですが、自らの時間を刻む水晶が欲しい、という願望の層。 一つの連の中に混ぜ合わせられているので、なんとなく詰め込まれたような印象が生まれている気がして、もったいないと思いました。 かといって、連ごとにカタツムリの連、踏切の連、と区切ってしまうのも、全体の流れが途切れすぎてしまいますし・・・ 踏切の音と光のずれ、というコメントを拝読して、そのズレに焦点を絞っていくのも、ひとつの方法かもしれないと思いました。
0まりもさん 仰る通り、今作はソネット形式で作りました。行の最後の音の母音を揃えて、チャレンジしてみました。法則にあえて縛られ「詩を作る」こと、嫌いじゃないです。 詩とはなんだろうか、と考えるなかで様々な形に挑戦し自分なりの答えが出るといいなぁと思っています。 確かに、全体の量に対してモチーフが多すぎますね。書いているうちにイメージはどんどん広がってしまうので、最終的にひとつの作品とするときにはもっともっと絞る必要がありますね。 今回もとても参考になりました!有難うございます。 仲程さん そうでしたか!気になさらないで下さいね。全ての作品のコメントまで全て読むことはできないので貴重なお話が聞けて良かったです(^^) 私も前のコメントでお名前の表記を間違えていました…。大変失礼致しました。
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