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鮮やかな店長の転調
溢れる言葉が溢れて溢れでて満たしてふるふるといま、お風呂の湯船の蓋のくるくる丸めるやつを水面に垂直に突き立てて、これをちくわに喩えようか、それともきゅうりに喩えようか悩んでいたら、春の蕁麻疹、最近身体中がかゆくってさ、なんか布団のなかで朝目覚めると身体中がぶつぶつして引っ掻いて掻いて書いてたら、身体中がミミズ腫れみたいになってもう痒いとかじゃなくて「痛い」だよねこれは、ああ、帯状疱疹になって体の半分がぶつぶつだらけになって「それ、身体を一周すると死ぬらしいよ」って普段は無口な賢そうなあの人にいわれてショックだったあの日のことを思い出しながら、そうだ「朝目覚めるのは大抵布団のなかなんじゃね?」って急に思いついて、朝目覚めたときに布団のなかじゃなかったケースバイケースに俄然興味がでてきて、おっさんなんだか眠れなくなってきたからさっきからスマホでチェスしながら毎回クイーンを取られてその場でリザインを繰り返してすでに15局。悔しいのでヘアサロンのウェブページ漁って、一番格好良いなって思った美人さんの写真ダウンロードしてそれをTwitterのプロフ写真にしてやった。 そういえば、美人な主人公が病気になって死んでしまう系の映画とかドラマとかあるけれど、病気になった人はあんなふうに美しく病んではいかないと思うんだ俺は、それにしてもお給料増えてほしいよ、キーボードを朝から晩までガンガン叩き続けて、ああ働けば無情。それにしても死んだ人がこんがり焼けて出てきたときのあのちょっと美味しそうな臭いは不謹慎だ、即刻やめてほしいのと同時に、ついこの間まで生きてた人が餃子の皮をこんがり焼いたみたいなってしまうのは、今思いだすとあれちょっと悲劇だし狂気だよな。あとになってじわじわ哀しくなってくるからあれはみんなが好きな狂気だ、即刻やめてほしいし、なにが狂気かって、だってまるでピザトーストみたいで思わず食べたいと思ってしまってそれではまるで狂気で、で、それを英語では「月の裏側の虚空のスキャットマンが金を欲しがっている月食」っていうらしいぜっていうのを友達に吹き込まれたのは確かもうすっかり桜の散った頃、高校入りたての16の春だった。
鮮やかな店長の転調 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1208.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-04-11
コメント日時 2018-05-15
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
密度の強さのご指摘嬉しくおもいました!ただやはり、終わり方、難しいですね。。精進します!
0特に二連目が面白いと思ったのですが(日常からちょっと離れて、常人ならば感じないとされている、でもきっと、誰もが感じるのに封印している、なまのフィーリングをそのままぶつけてきているところ)題名との関連性が、いまひとつ、よくわからない・・・ 題名は遊んでいる感じなのですが・・・虚空のスキャットマン、とかだと、あまりに「そのまんま」の題名、になってしまうのかな・・・でも、このフレーズ、インパクトあります。
0まりもさん コメントありがとうございます!2連目、どうしても言いたくて書きたくて、でもなかなか言えなかったこと、書けなかったことをやっと書いたという感じです。反応いただけて嬉しいです。 タイトルについてですが、そもそも作品全体が遊びなのが前提なのと、例えばモーツァルトの音楽みたいに気まぐれにしかも激しく転調するようにして、あるいはシューベルトみたいにスタイリッシュに、しかもあらゆる境界を巧みに跨ぎ続けるようにして、そんな転調し続ける文章を書いてみたいというのが最初の動機としてあって、そのときの思いつきのままに勢いでつけたタイトルですが個人的にはとても気に入っています。 虚空のスキャットマンのくだりの一節はピンク・フロイドの「狂気」(原題:the dark side of the moon)からの引用です。
0めっちゃくやしいくらい好きです。 くやしい。 ぜんぜん関係ないけど、非美人のワタクシもヘアサロンのウェブページのってたことあるのでプロフ写真にされたかった、 それくらいすきです。 この疾走感と濃度はくやしい。
0ささん コメントありがとうございます!今回は短い中にとにかく詰め込みました。もう少し詰め込んでも面白かったかもしれません。プロフ写真ってその人の人格がなんとなくにじみ出る気がします。いろいろなプロフ写真があるので面白いですよね。しかもプロフ写真によって、同じ言葉でも受ける印象が全く違くなるのがとても面白いな、と感じます。写真が変わった途端その人に対する印象が変わったり。
0タイトルを見て、先月の私とのやりとりで私のダジャレ好きがうつってしまったのかしらどうしよう、と勝手に思ったのですが、中身はいつものsurvofさんだったのでホッとしました。そりゃそうだ。私なんかにそんな影響力はない! 笑
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