終わりと始まりを納棺する日々 - B-REVIEW
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終わりと始まりを納棺する日々    

歩道橋から終わりをみていた 青空を閉ざす灰色のシャッター 茜空を切り裂く白磁のカッター 太陽に下された死刑判決も 皆の記憶から薄らいでいる やがてcmの夕陽がmmへと変換される刹那 2tトラックが何かに抱かれ スクールバスが何かに焼かれ 闊歩する100匹の猿  101匹目の猿は猿みたいな誰か? 南京錠付きランドセルはもう開かない 補助輪だけの自転車はもう踊れない 影と意味を喪った街は、イロだけが淫らに乱れて、人々は蝙蝠傘を猟銃に身立て始める。 そう、終焉に向かうだけの(はじまり) 匿名性に抉られた眼球と鼓膜 更新される死と文字列への無軌道な割り込み 0行進に訪れないゲームセット 失敗の赦されない芝生上の銃殺刑 始発も終電も記憶の彼方に消えた亡者 閉店も開店も無く24の死体が腐乱し続ける スーパーマーケット5番レジで立ち尽くすセーラー服の少女のバッグから溢れでる、シュガーレスガムと誰かの十二指腸 悲鳴よりも虚ろなサイレンが 恐怖よりも歪んだ好奇が勝るから 私たちは枯れ果てた水仙を胸に挿したまま 俺たちは雑種犬の剥製を被ったまま スカイツリーを0分待ちにしちまうのさ アスファルトにミートソース拡がる 宙空にてパスタで首吊る猿の群れ 赫に黴が生えるまで 小麦粉が老衰するまで 曇天の634mにて笑うしかない


終わりと始まりを納棺する日々 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 1076.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2018-04-09
コメント日時 2018-04-22
項目全期間(2025/04/06現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
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音韻00
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閲覧指数:1076.2
2025/04/06 18時45分55秒現在
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    作品に書かれた推薦文

終わりと始まりを納棺する日々 コメントセクション

コメント数(7)
アラメルモ
(2018-04-10)

現実と夢(エンターテイメント)の境界線。 誰もが脚を踏み込めるが確実に喪失してしまうそのわずかな隙間の領域。 見事だ。

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まりも
(2018-04-17)

「青空を閉ざす灰色のシャッター 茜空を切り裂く白磁のカッター 太陽に下された死刑判決も 皆の記憶から薄らいでいる」 繰り返し予兆される終末の気配(を、誰よりも鋭く察知してしまう語り手)には、そのことに鈍感で頓着しない「皆」が、まるで猿のように見えてしまうのかもしれません。 ひとりだけ、終わりを予見してしまう宿命を担わされたような、そんな語り手の・・・きりきりと締めあげられていくような日々(同じ食べ物を見ても、他の人には新鮮なものに見えるのに、この歌い手には腐りきったなれの果て、のように見えてしまう、ような)を、言葉のイメージの連なりと、リズムや響きでアップテンポに転がしていくような、そんな印象を受ける作品でした。

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survof
(2018-04-17)

ギター1本じゃかじゃかとコードを掻き流しながら、パティー・スミスみたいにポエトリー・リーディングしたら格好良くなりそうですね。日本語だと英語と違ってパティ・スミスのような子音の連続のあの格好よさがどうしても出ないのが残念ですが。。

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北村灰色
(2018-04-22)

アラメルモ様 コメントありがとうございます。 そう、現実と夢の境界線、わずかな隙間の領域に入り込めるのが言葉による表現の最良な部分だと思って書きました。 皆正常で、俺が異常っていう思考も手伝ってくれたけれど。

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北村灰色
(2018-04-22)

仲程様 コメントありがとうございます。 タイトルは本編を書き終えた後に思いついたのですが、何やかんやで結構合っているなと思います。

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北村灰色
(2018-04-22)

まりも様 コメントありがとうございます。 具体的なことを言及するのは避けさせて頂きますが、皆が猿に見えるのはまぁそうですね。誰もが生き生きした着飾った猿なら、私は死後2週間くらいの腐乱気味乱痴気騒ぎ猿ってところでしょうか。死んでるのにナニとダレと?って感じではあると思いますが。 確かに、結構音楽的ではあるかもしれませんね。多分ギターで不協和音を奏でながら書いていたのも作用している気がします。

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北村灰色
(2018-04-22)

survof様 コメントありがとうございます。 確かに日本語だと英語特有のノリやかっこよさが表しにくいですよね。例えば(日本語に心動くべきだ)とキングギドラ時代のKDUBはラップしていたけれど、彼もリリックにはかなり英語を織り込んでいたし。

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