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【選評】少し硬質な感謝を運ぶ詩文「真実の体積」から
出典:http://breview.main.jp/keijiban/?id=167 「真実の体積」から、果たして少し国語的な真実には、数学的な体積などどのようにあるのだろうとの印象を受けました。しかしながら、それらは生命によって生みだされた大切な言葉でもあります。「ありがとう」という言葉の響きには、たとえ話し相手には面倒な労力があったとしても、そのような気苦労ですら癒やしてしまう言葉なのです。また、どうも当たり前の御礼のように響く言葉でもありますが、「真実の体積」のなかでは、少し硬質な詩文が描かれています。この詩文にある「ありがとう」とは、やはり物理的な体積としてもありましょうが、同様に、歴史的な堆積としても人間の脳髄にも刻まれているのでは、と思ってしまいました。そう考えれば、やはり言論などにも考古学があるのだろうと改めて思うに至るのです。これらの詩文では、作者が自身なりのやや硬質な言葉で読者に質問をしていますし、作者なりの言葉で、なかば義務的な勧めとして地球史的な規模で、感謝そのものの原点を探りながら、詩文により、その言葉の切実さを手短に展開しています。決して歯触りのよいだけの「ありがとう」について、単にそう呼ばれるだけではありません。きっと感謝そのものの言葉の側面や底面ですら、眺めることができます。
【選評】少し硬質な感謝を運ぶ詩文「真実の体積」から ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 972.0
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作成日時 2018-04-01
コメント日時 2018-04-01
作者は 北さんです。評は、竜野欠伸です。 上記は、作品紹介になりますが、選評でもあります。
0竜野さんらしい対象作品にある思想的なるものを深化させる批評だと思いました。「真実の体積」から受けるところの論考、「ありがとう」とは物理的な体積を持ち歴史的な堆積でもあるという言及は興味深く読まさせていただきました。
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