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雨の先にいる君に向かって
夜ふかく降る雨、眠れぬ夜の雨音は悲しくさびしい 今日が過ぎる不安が、明日が来る苦しみが渦をまく 三日前に食べたハンバーガーの味がまだ舌のうえに居座っている 雨に打たれ濡れた硝子窓は灰色の森を胸の底に流しつづける あなたなんて信じられない、と云った君はいまどこに 叩かれた頬の疼きは、なぜか甘い桃のように口の中で痺れている 星の隠れた空、月を失った夜、泣き声をあげる大地、僕 生きることの苦しみは、正しくあろうとするほどに膨らんでいく 諦めることの寂しさは、井戸の底で深いため息をつくようなもの あなたの裏切りを許せない、と云った君の残した口紅 冷蔵庫のなかに隠してあった口紅、唇を重ねた想い出が凍っていく 雨が激しく落ちながら窓にぶつかっては弾けとぶ 電灯を消した部屋は外よりも暗く、僕の心よりは明るい 真実を語ることは、あまりにも辛く苦しいことで せめて君の両の手をとって、見つめ合うことができたなら かすかな気持ちが、言えない愛情が、わずかに伝わるはず けして裏切ったわけではない、と云いたいけれど口は開かない 透明なガラス窓が雨から身体が濡れるのを守ってくるけど 僕自身は濡れている、僕自身は溢れている、もっと濡れればいい 夜の夜、雨の雨、雨音、夜風、すべては滲んでいく 過去が押し寄せてくる、黒く塗りつぶされた喜びが、死んだ過去 どうにか今一度だけ過去を受け入れてと、もがきながら 不安と苦しみを受け入れて、朝の光りを待とうと力みながら 涙を雨で洗うために窓を開け、濡れながら泣きながら、ほほ笑み 僕は叫ぶ、雨の先にいる君に向かって
雨の先にいる君に向かって ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 810.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-03-12
コメント日時 2018-03-14
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
吉岡さん投稿ありがとうございます。こちらの掲示板に読者として参加する多くのユーザーは、自身で詩作する方が多いということもありあらゆる物語や特に詩作品による「僕と君」のことが主題としてある詩作品を読まれていらっしゃると思うのです。その中で、惹かれる作品として掲示板にあること、ある種のオリジナルな訴求力を発している作品を書くことは、僕は難易度が高いと認識しております。その観点から本作を読んだ時、「作者が書きたいことは書かれているけれども、読者に読ませることへの拘りが薄い」と僕の主観ですが思いました。もちろん、書きたいことだけを書かれた作品であっても、いいのです。むしろ投稿作品は自由であるべきです。また、読まれない作品があっていいと思います。私はどちらかていうと、コメントが付かない作品、誰もが読まない作品の方が好みです。誰もが良さを見出せない作品から自分だけが良さを知っている作品に出会えたら、私はとても嬉しいからです。初めてこちらに投稿された方だと知りながらも、思い切って作品を読んで感じたことをコメントさせていただきました。次回作品も楽しみにお待ちしてます。必ず読みます。 ちょっと不快なコメントとして思われるようでしたらすみません。先にお詫び致します。ごめんなさい。
0三浦様 コメントをいただきありがとうございます。 「作者が書きたいことは書かれているけれども、読者に読ませることへの拘りが薄い」という面は私自身でも納得のいくところです。 参考になる言葉もいただきありがとうございました。 まさか長文のコメントをいただけると思っていませんでした。 また読んでいただけた方がいたということだけでもありがたいことだと思います。
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