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闇を見る
空から来る光が受容も自省もする力のない接触の悪いものたちに反射してむなしく還っていったから今この地上は明るさを保ち人々や事物の輪郭は鮮やかである。僕はパズルにでも採用されそうな風景を背景にして溜め息をもらす。それから滞在期限が切れそうになっていることを怖れて将来一度も見られるはずのない録画を撮る。見ることと撮ることとはどう違うのか。僕は非現実や時間差を排除するからどちらにしても同じことだ。見返す必要もないその録画は虚構となった真実を好む人間たちのためのものだ。もし真実のままの真実を追い求める人で地上が溢れているならば確実にレンズは闇を見て撮る。水の一滴すら煌めきもしないだろう。なぜならこの場合には空から来る光は到達するや否や瞬時に事物に摂取されてしまうから。ゆえにこの闇は貪欲に次から次へもっともっと光を求めながらも暗い。闇の中でもものを見ることに不自由しないという不思議な能力。しかし今はそれは僕自身によっても可決されず愚昧と欺瞞のためにこの世は輝いている。勤勉でもあり怠惰でもある詐欺師たちの人影が眩しい。休みなく空から光が来て彼らに反射し僕までもが明るい。
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闇を見る ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 409.6
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2025-01-12
コメント日時 2025-01-14
項目 | 全期間(2025/01/15現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
真実は光子を好むからこの世界は闇になる?!面白いですね……。カメラのレンズやセンサーが光の粒をおいしそうにパクパク食べるありさまがめに浮かびました。ただ本来の全体的な雰囲気はもっと暗いはずなんでしょうが。 ちょうどパトナムを読んでいて意味は分かりませんが面白いです。そして真実についてはおそらくそのとおりだなと。真実という言葉に何か勘違いをしている人はおそらく真実から遠いでしょうね。まあそれは私のことなのですが。。
0不思議な一篇ですね。闇についての考えが、新しい。録画を取る、という行為と、見ることの、 同一性を、書いておられると思いますが、録画の方にも、真実は現れている、ということを、 受け入れるならば、録画された事象と、見ることとの同一性が、思想に干渉してきます。 人間の作った新しい眼。興味深い論考だと思いました。
0暗い処から急に明るい処に出ると目の前が白い闇に包まれますよねーで、徐々に慣れていって再び録画とゆー闇を見ることは光を見ることかしらんと目を瞑っていても見えるやつですね!いいたいことと大分ズレテきてるけど何かコメント入れたくなる作品だったのでコメント入れてみましたよー
0理解できるかできないかを軽やかに通り越して進んでいく文面が光でした。
0パトナム! これまた難しそうな! 僕には分かりそうな気がしないです。でもチャレンジングな勉強は大切、必要ですよね。今回の拙作中には「真実」という言葉を三度使用しました。あんまり軽率に使うべきではないと思いながらも、しかし他にどう言えばよかったのか、悩ましいところです。
0別に責める意図はないけれど、問題意識として、人はなぜパシャパシャと写真を撮ったりジージーと動画を撮るのでしょうね? リアルタイムにリアルなものを肉眼で見つめればいいのに。その方が精神の働きは内向的で力強いと思う。そしてこのとき精神は暗いものを見るでしょう。より真実に肉薄できるでしょう。
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