別枠表示
散文的な、あまりに散文的な
ある年齢を過ぎると凝り固まった思考法は変更が不可になりとらえどころのない枯れた井戸が胸に口を開ける。 しかしながら若さゆえに柔軟な考えも経験がないゆえに定まることなく揺れている。 本当に輝ける人でいられる時期というのは人生で物凄く限られた時期なのだろう。 僕はそんな時期を一体どのように過ごしていただろうか? 魂の牢獄に繋がれて来る日も来る日も小さな空のかけらを見たりありきたりな自然に感動したり たまには得体のしれないグロテスクなものにさえも心を惹かれる。 この部屋から見える遠くのエメラルドの美しい山々の木の葉の裏にはおぞましく気色の悪い虫かなんかの卵がびっしりとついていたとしても。 ここの門を一歩出た時から僕はいつの間にかいつもの凡人になり純粋な意識とか純粋な時間とかを忘れてしまいます。 自意識としてあるのは怒りとか憎しみで記憶と悲しみは直線的で隠されてしまったものはいつも神秘でキラキラと光る色とりどりなフェイクなジュエルであって子供のころに手当たり次第に詰め込んだおもちゃ箱を思い出します。 ずっと昔に忘れられた大きな古いお城の地下牢とか尖塔の秘密の屋根裏部屋とかのカギを見つけた時のような。 INFPと診断結果がでたけどありきたりで知れてますね。 人の感情が他よりかは少しだけわかっているようですね。ですが自分のこともわからないのに人のことなんてわかるわけがないんですね。 感受性が豊かで他人の気持ちを理解するのと同じく自分から出てくる言葉とか視線とか何かも他人に対して敏感に鋭くあててしまっていると思うのです。 目を閉じると白い画用紙に画家が使うようなデッサン用の太い木炭ででたらめな線が次から次へと殴り書きされて渦巻のようになったりとにかくカオスで止まることを知らないような荒れ方をする。 しかしその画用紙が黒く塗りつぶされるっことは一向になくていつまでたっても乱雑で滅茶苦茶な黒くておぞましくて心休まらない黒い線。 目を閉じていてこれなんだから全く救いようがありませんね。 東と西は同じで右も左も突き詰めていけば相反する方と必然的に出会う。 自分の影と正しくお別れをすることができなかった代償ははかり知れないですね。影は自分の一部でもあり全くの他人でもあります。 そんな存在をある日突然テレビを見ていたら部屋のドアが開いて外に連れ出されて部長面なしかし神妙な面持ちのおじさんに黙って見せられた電報で失ってしまったのですから。 しかもそれは事後報告の知らせで電報は夜の20時くらいに来たけど内容は昨日の23時のことらしいですね。 まあなんていうかその23時から僕が知る20時までの20時間くらいの微妙な時間は何の時間だったのでしょうか? 死というのは完全に個人的なモノでるといったのは誰だったかその時間、その20時間という時間は僕にだけ与えられた特別な空白の時間で生きているわけでも死んでいるわけでもなくもっと認識とかその手のたぐいの形而上的な部類ですね。 終わりも始まりもない不等方程式エックスみたいなものです。僕は。どうせなら虚数とかのほうがかっこよかったですね。 もしあの頃に戻れたならばとたまに想像しますが考えられませんね。違う世界線とかロマンチックなパセティックなことは考えられないのですよ。 影を失うと残された僕はどこまでも唯物的になってしまいましたから。 ですが何物にもその名残があるようにかつて持っていた(と思われる)ような扁桃腺とか盲腸のような尾てい骨のようなそんなものがあるのです。 からからと白い骨は音を立ててそれを木の上から眺めている大きな猿がカラカラと笑う。
ログインしてコメントを書く
散文的な、あまりに散文的な ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 237.5
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2025-01-09
コメント日時 2025-01-10
項目 | 全期間(2025/01/12現在) |
---|---|
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
前半の自分語りみたいなのをフムフムと思いながら読んでいって、性格診断テストの結果あたりから、不思議な方向へ持っていかれるかんじ。 >自分の影と正しくお別れをすることができなかった代償ははかり知れないですね。 >からからと白い骨は音を立ててそれを木の上から眺めている大きな猿がカラカラと笑う。 この2行だけでだいぶ引っ張られるので、ここだけを踏まえ考えてみようと思える、何度も読み返しては(?_?)を繰り返す感じ。一言でいうと傍観、自分すら俯瞰している感じだろうか。読ませますね。面白かったです
0