傷物 - B-REVIEW
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傷物    

過去の一度の失敗に足を取られ動けず 時間という歯車に任せ進んでゆくだけ あれから一歩も自分で歩いた事はない 傷物の商品を誰が手に取るというのか 自堕落な男の下らない出来事の数々に 口を出す気も無く抱かれるだけ抱かれ 帰って行く女たちの閉めたドアを見る そこには細かい線のような傷跡がある 何も無いところで何もせずに眠りたい 静かに静かに ひっそり一人きりになり 苦し紛れに手を伸ばしライターを擦り 密かに企てる犯罪やらを思い返したい チーズを乗せたパンをレンジに入れて 500ワットで2〜3分待つくらいに 明確な心境のやり直し方を知りたいが 食欲が失せたので考えるのも気色悪い 傷物のイヤリングが転がっていたから 燃やせるゴミの袋の中に仕舞っておく どうしようもない一日を過ごしてゆく 冷え切ったスープのように心を閉ざす


傷物 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 8
P V 数 : 965.0
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 2

作成日時 2018-03-01
コメント日時 2018-03-07
項目全期間(2025/04/13現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性11
エンタメ11
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント22
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性11
 エンタメ11
技巧00
音韻00
構成00
総合22
閲覧指数:965.0
2025/04/13 00時43分07秒現在
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    作品に書かれた推薦文

傷物 コメントセクション

コメント数(8)
三浦果実
(2018-03-03)

うたもちさん投稿ありがとうございます。リアルでありながらリアルでないような、実存でありながら実感がないような、そんな作品に思いました。「時間という歯車」「抱かれるだけ抱かれ帰ってゆく女たち」「密かに企てる犯罪」「冷え切ったスープ」置かれているキーワードのイメージは伝わってきました。それらは私が実感として持っている事物からではなくて、私が観た映画や読んだ本、あるいは聴いた歌等の過去の蓄積から出来上がった、私の中で相対化された言語の組み合わせがイメージを呼び起こすからでしょう。一般的にはこれを既読感というのかもしれません。本作では、その既読感を「傷物」という言葉にメタファーとして持たせた作品なのかもしれないと、思いました。

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うたもち
(2018-03-03)

三浦さん、コメントありがとうございます! 恥ずかしながら、この詩は僕の体験談のひとつです。 このころ、不安定な恋愛をしていまして(このあと、無事に結婚できましたが)、ごみくずのように捨てられた女の人への執着と、情けなさを詩にしました。 なので、自分の事を隠すような言い回しも多く、リアルと非リアルをいったりきたりするような詩になったのだと思います。 相対化された言語の組み合わせ、と言うイメージは、すごく納得のいく指摘だと思います。 僕は僕自身の「面白さ」を追及しているので無意識に近い状態で書いていたのですが、確かに僕の中に影響された映画、音楽、小説、そして詩の断片が大量にあって、それをミュージックビデオやコラージュのように連続的に構築しているのだと思います。 傷物と言うタイトルのことまで言及していただき、自分の詩について理解が深まったような気もします。 やはり、詩人さんとの交流は、とてもいいものですね、ほんとうにありがとうございます^^。

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エイクピア
(2018-03-03)

「自堕落な男の下らない出来事の数々に 口を出す気も無く抱かれるだけ抱かれ 帰って行く女たちの閉めたドアを見る そこには細かい線のような傷跡がある」 第2連目のこの4行が印象的でした。細かい線のような傷跡がある。どんな傷なのか、想像力が羽ばたくような気がしました。

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うたもち
(2018-03-04)

エイクトピアさん、コメントありがとうございます! 僕も、そこが一番気に入っています。 想像していただける作品を書けて、とても嬉しいです。 その傷は、自分にだけ見えたものなのか、実際にあったものか、なども、きっと読む人によって違う印象になるでしょう。 その、どれもが正解だと思っています。

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うたもち
(2018-03-04)

エイクトピアさん、コメントありがとうございます! 僕も、そこが一番気に入っています。 想像していただける作品を書けて、とても嬉しいです。 その傷は、自分にだけ見えたものなのか、実際にあったものか、なども、きっと読む人によって違う印象になるでしょう。 その、どれもが正解だと思っています。

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うたもち
(2018-03-04)

エイクトピアさん、コメントありがとうございます! 僕も、そこが一番気に入っています。 想像していただける作品を書けて、とても嬉しいです。 その傷は、自分にだけ見えたものなのか、実際にあったものか、なども、きっと読む人によって違う印象になるでしょう。 その、どれもが正解だと思っています。

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うたもち
(2018-03-04)

なんと、3つも送信してしまいました。 接続の問題でしょうか…申し訳ございません。

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まりも
(2018-03-07)

女性の立場から(実際の体験に基づくにせよ、架空の設定であったとしても、主人公の身に寄り添って想定された上で)書かれた作品なのかなと思いながら読んでいたので、レスを拝見して、男性の作者だったのか、と、少し驚きがありました。 意に染まぬまま男に抱かれ、古い慣習から「傷物」と冷たく扱われ、自らを「燃やせるゴミ」の中に入れて無くしてしまいたい、と願う(実際には、傷を受ける以前の生を激しく求めながら、それを強力に自己否定するような)・・・俗な言い方になりますが、セカンドレイプに苦しんでいる女性の心情を思いながら綴られた作品(静かな告発ともなっている)のように思われました。

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投稿作品数: 1