Surely - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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Surely    

 だれのものでもない両手で  だれかを傷つける  呼び鈴がおれの耳に  爆発している  やり過ごすことのできない咎に身をふるわせて  やはりだれも  おれを諒解しないというところで  合点する  他人の顔に鉈を下ろして、  それでもだれに気づかれないままで終わる  きょうのことはぜんぶ忘れる、だれかがいったように忘れる  それでも、おれはおれを赦せないでいるんだ  ラジオがいう、──あの世は天国だって、  おれはおもうんだ、  それを地獄の住人たちに伝えてやれよって  雨のなかで待たされている多くのひとたちに伝えてやれよって   それがお好みの事実ならねってさ  でもおれもまた通り過ぎるんだ、退場役のエキストラのひとりだってことに気づく  そして多くの物語が中断された路地をあたりまえのように去ってしまうんだ  だれのものでもない両足でおれを傷つける  自分自身を獲られない躰でもって、  あしたが祝祭であるかのようにふるまいつづける  人形の家に灯りが点りはじめた  むかいの養老院で人生を終える老人たちの幸福さに焦らされ、  じぶんの顔を忘れてしまった一瞬を  スクリーンに投影しつづける  きのうことはぜんぶ憶えている  きみに話したように憶えている  それでもきみはきみを守り通しているんだ  かの女がいう、──光りが嵐を超えてやって来るって  おれはおもうんだ、それを春を待てないひとびとに教えてやれって  闇のなかで待ちくたびれているひとびとに教えてやれよってね  それがお好みの真実ならねってさ  きっとだれもが足搔いて来た、過去と現実の磁場のなかで  自身の行いすら忘れたやつらに罪をってな   きっとだれもが足搔いて来た、過去と現実の磁場のなかで  自身の言葉すら忘れたやつらに罰をってな   それが当然のことなんだ、きっと  やつらが存在している事実の胸糞で、おれはいつも嘔きそうになって、  トラックがスタックして停まる道のむこう側で絶えず見張っている警官たちの家庭を  不道徳に充ちた笑みでもって、やさしく葬ってしまいたくなるんだってつぶやくのさ  やつらの存在している事実がまるでうそっぱちだったってことにしたいくらいにね、きっと。


Surely ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 1
P V 数 : 422.1
お気に入り数: 1
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2024-12-30
コメント日時 2025-01-01
#現代詩
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
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閲覧指数:422.1
2025/04/10 19時39分56秒現在
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    作品に書かれた推薦文

Surely コメントセクション

コメント数(1)
三明十種
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(2025-01-01)

思い出しては書き換えて、しばらくたったら忘れてて、あるきっかけでまた思い出してヴァーヴァーなって、うらんだり、うらやんだり、で、また忘れてる。「養老院」って言いまわし使わなくなったねー

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投稿作品数: 1