薔薇のマスク  - B-REVIEW
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ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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薔薇のマスク     

光ある春の日に、白いマスクをしていくのが嫌だった 空気を生身で感じたい 布越しに生気を通さないで 毎日同じ日が続き、精神が疲弊してしまった頃 ダイニングテーブルに突っ伏す私の元へ母がやってきた 母の姿はガラス窓で逆光となっていて 暗く表情は伺えなかった 私の鼻先に差し出されたもの それは小さな薔薇の刺繍の施されたマスクであった 目を見開き、驚く私に 母は「お前の為に縫った」と口にした 私はそのマスクを己の額に当て たださめざめと涙を流しながら ゆっくりと微笑んだ 後日、白地に赤い薔薇の刺繍を施したマスクを着けた私の姿は、近所で噂となり 真似をする人が増え 「薔薇の花を咲かせたマスク」は町の名物となった


薔薇のマスク  ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 4
P V 数 : 503.8
お気に入り数: 1
投票数   : 1
ポイント数 : 0

作成日時 2024-12-07
コメント日時 2024-12-08
#現代詩 #歌誌帆掲載応募
項目全期間(2025/04/10現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
叙情性00
前衛性00
可読性00
 エンタメ00
技巧00
音韻00
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閲覧指数:503.8
2025/04/10 16時15分50秒現在
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    作品に書かれた推薦文

薔薇のマスク  コメントセクション

コメント数(4)
ユウヤ
ユウヤ
作品へ
(2024-12-07)

情景をはっきりと描写することができる詩だと感じました。 特に詩の始まりの部分から、 コロナ禍からずっと毎日マスクをつけるようになって、空気を肌で感じたいけど、マスクを外すのをよく躊躇ってしまうなぁと...。 私の生活にもそのようなことがあるなと思い出しました。

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鷹枕可
作品へ
(2024-12-08)

此の度は、歌誌「帆」自由詩掲載欄へとご投稿を賜りまして、允に有り難うございます。 未だ、ご応募受付開始よりは間がございます。 暫し、(凡そ、冬季=年始頃・即ち後一箇月程後に始動との計らいでございますから、その時分迄。) お待ち下さりますと嬉しく存じ上げます。 御作を、拝読させて頂きました。 実存主義に寄られました、修辞主義的作品であると感受を致しました次第でございます。 即‐時代性を具えになられた主題も、文体‐筆致も恙無く、上手であると感受を致しました。 一種、象徴的な読み(「顔」の判別出来ぬ「母」より手渡されましたのが「薔薇の刺繍」の施されましたマスクである、とう骨子等) も出来得る御作であらせられると。例えば「母」ではなく「父」であったなら、或は「祖母」や「祖父」であったならば、 作品の色合いも変質をしてしまいます事でございましょう。 それら事物の配置の妙をも弁えていらっしゃられますので、スマートに通読をし得る内容となっていらっしゃられる。 小品ではございますが、纏まりの佳く、過不足なく読み売る作品であらせられると。 此の、時代性に副わず、かと申しまして単純な抵抗には寄与をせざる、丁度良い落とし処へと作品を昇華為される技巧は、中々手堅いのではないでしょうか。 次回作も期待を致して居ります。何卒、復ご応募を下さいますと心嬉しく存じ上げます。 それでは、復のご挑戦をお待ち申し上げております。 此の度は、ご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございました。

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AssA
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(2024-12-08)

文章自体は長いですが、スラスラと頭の中に情景が浮かんできます。わかりやすい語句や表現力がそうさせたと感じています。

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るる
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(2024-12-08)

こんにちわ。 さまざまな耐え難い事が おこるものですが、そんなとき その瞬間を 美しくする  この詩のマスクのような 人を温めるものを、私も つくっていきたいものだ。と、感じました。良い ひとときを ありがとうございます。

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投稿作品数: 2