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青信号を渡らない赤子
空白の乳母車 空腹の僕と空室の何処か 孤独に押す車 ひとりぼっちの世界 乗車客のいないバス タクシー それでも走り続ける意味は一体? 青信号 僕が立ち止まれば 平穏な日常も転落死 俯くことが平常を保ち 虚ろでいることが正常を保つと そう教わった記憶すら失くして 赤信号 君が突き放せば ウォッカに浸る夢を見る 無味無色 それなのに酔い痴れて 視えなくなる 心も此処も 赤と黒 染まる君は傍観者になれず 透明に慣れる前に狂ってしまう 群れる事には慣れていたのに ――朝、あさ、アサ 三連符の目覚まし時計がうるさい ニュースキャスターがふかす煙草 ニュースキャスターがこわす画面 ニュースキャスターがやぶく原稿 秩序をトースターで焼けば 焦げた匂いが7時を包む 湿気た憂いで朝酒に浸る 白けた思いで今日も溺れる 斜め四十五度 濁った視線のなか 黄色信号が灯り オレンジが潰れ 出血熱の会釈 黄身が心を閉ざしたまま 殻ごとレンジにて爆発 頭の混乱 色の散乱 白身の錯乱 掻き鳴らされるクラクション 脱線するアトラクション 事故を起こすのは僕だけじゃないはずさ! 目に映る血塗れの花瓶 絶望の火焔 病室でのバーベキュー 昏睡するスプリンクラー 咽喉の乾き 火傷の痛みに悶えながら 泥酔するパティスリーに救難信号 ベーグルの浮輪 仏の物資は死んだってさ そうして焦がすパンケーキの二面性 エーゲ海に鮫を放つ 溶けだしたバター エーゲ海に鯱を放つ 染みだしたハニー 高脂肪に浸る心臓 糖分に漬かる肝臓 青い海の横断歩道で 壊血病になる悲劇の天使 それが僕だ! 僕だ!って 僕が叫べば それを自意識過剰だと笑う貴方も それを狂人だと蔑む貴女も もう信号が点滅している事に気づいていない
青信号を渡らない赤子 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 868.5
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-23
コメント日時 2018-03-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして とってつけたようなカタカナ用語がスパイスなのか?とか考えたりしましたがよくわからなかったです。 言葉というか全体に血が通ってる、切ったら血が出る、みたいな感じがしなくて、でもそれはわたしの読み方なのかなあ…とかふにゃふにゃ悩みました。 言葉のセンスはある印象で、持ってる?抱えてる?もの、詩でいうところの題材?もいい気がしました。傲慢なコメントお許しください。
0一連目、言葉の響きを重ねてみよう、とか、そこに意味も重ねてみよう、というような意欲と硬さが目立つような気がしました。肩に力が入っている、というべきか。 2連目からの「のっていく」感じがいいですね。 「秩序をトースターで焼けば」「斜め四十五度 濁った視線のなか」「オレンジが潰れ 出血熱の会釈」等の飛ばし方が、とても良かったです。後半は、逆に勢いに身を任せすぎた感がありました。
0読んでいて気持ちいい。身体にきます。読んでいるというより、ライブの聴衆になっている感覚になれます。
0交通事故を起こした人物の詩でしょうか。 後半の緊迫した状況を思わせる描写と、突然切り替わったヨーロピアンな内容の語りとのギャップが、語り手の狂人じみた性格を感じさせます。 一瞬、奇抜だ・・・とも感じたんですが、一文ごとの区切り方のバランスが整っているようで、読みやすかったです。
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