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インソムニア
枢機卿の話が続く 外務局長の大司教も同席していての普段よりも長い時間を取っての会談となっている 少し特殊な会談なのでお互いに人を引き払っていて三者だけの会談で会話の言語は時折変えられている 私達にはその悪意と呼ばれるモノに関して特別に感知できる人間がいるのですが と大司教が赤い滑らかな布がかけられてあったカンバスからその布を取り去る 其処には会談中の人物が描かれており 彼は少し驚いた表情をする つまり私の中にその悪意と呼ばれる悪魔か天使のようなものが存在していると言う訳ですか?と男性 まぁそう言う事になるのですが この事を我々はどうこうする訳では無いのです、唯、この事がなんの意味を持つのか? 理解できないのではと考えているだけなのです。 男性の左の瞳が紫色に輝きだす この段階になって瞳の色のコントロールが可能になりました 正直に言いますがこの段階になればある程度の能力も推測できますね 素晴らしい、想像の通り第3段階からある程度の能力が現実的に顕現します この段階まで達するのは本当に稀で我々が認識しているのは5名に満たない程です と枢機卿 枢機卿からの言葉を受けた男は意を決した風で喋り出す 初めての邂逅したソレは自らをリンゴ•スターと名乗りました 確かにその時は私には何が何やら 辿り着いた場所が過去の万博 パリ万博だと気づくのも随分と時間がかかりました 万博内に流れている放送を注意深く聴いて其処でのルールは理解していました 特定のパビリオンに近づく事がペナルティーになる事、それはつまり考案者と呼ばれるモノが仕掛けた試練のようなモノだと 私は日々の思考、思惟の中である瞬間にパリ万博に存在していました。 そうした日々の中で彼、リンゴ•スターが展開する赤い部屋に閉じ込められる事になりました。 私は現実の世界と彼の構築する赤の部屋に 同時に存在していました 何日か、何週間か全く睡眠を取ることが出来ずに夢か現か区別かつかなくなっていたかと思います。 しかしその状況もある日突然終わりを告げました 何故かはよくわかりません 彼は忙しくなったと言っていました。 悪意と呼ばれている彼らのバランスを乱す事、者が現れたのかもしれません 兎に角、私はその赤の部屋から解放されました、安堵と同時に奇妙な感覚もありました 私は公務の傍ら自分独自にその問題について考えを巡らせました そして今のこの状況、私が悪意を3体捉えている事を察知されたと言う訳でしょうか? 彼は堰が切れた様に語った 枢機卿は彼の話が終わったのを確認してから 言葉を紡ぎ出す 世界をどの様にするかと言う問題なのです 悪意を4体以上所有すると左目は虹色に変化します その効果が及ぼす範囲は偽りなく言えば 最大10km四方に及びます 今現在、私達が貴方の術中に落ちないのは 私達の方で用意している人間に効果を打ち消す様にさせているのです この事実が導く結果は容易に想像できるでしょう。 抑止力のステージが上がったと言う事です 核のボタンは誰が押すのか? その判断を操作できるのなら? つまり何が言いたいのでしょうか? 男は訊ねる 新たな枠組みの提案です これは実は次善ではあるのですが。 我々は万博の同時侵入と言うパビリオンへの道を開く案を阻止出来ませんでした これは近く実行されるでしょう その同時侵入の1人として貴方を推薦したいのです 侵入するにあたってのチケットの様なものはこちらで用意しています 8名での同時侵入にはシステムの構築が必要らしくそのためのチケットです それとこちらで悪意を1体用意します それを使ってクワトロへと進化して頂ければと思います アメリカ、イギリス、日本、そして我々バチカンとフランス これからは太陽系地球国として世界に関する話を始めたいと思います 如何でしょうか? 男は暫く言葉を発する事を躊躇っていた しかし手を差し出した エマニュエル・マクロン が差し出した手はどの様な立場からなのか 本人もよくわからなかった ————————————————————— 眠れないの? うん、眠いんだけどなんて言うか 身体は凄く疲れているんだケド なんか規約の変更の文章を読み返していたら 頭が興奮しているみたいで 彼女の携帯の光が暗い部屋の中で囁いている ちょっと気になっているアイドルの動画見てた 五月蝿かった? いや、僕もうとうとしてたから だけどもう寝た方が良い おとうさんのミサを立ててもらってるし おかあさんも迎えにいかないといけない そうなんだけど、思う程眠れなくなって 羊を数えたみた? 木の柵を飛び越えていく羊の群れ さあ?わたしの羊達はそんな元気が良くないかも、木の柵の中でウロウロしているだけ 跳ねている子は・・・まぁ時々は いるけど もうなんか眠くなったかも、眠っても良い? お互い朝が早いからね おやすみなさい 僕は彼女の爪をゆっくりと撫でた 何回か撫でていると彼女の身体が上下しだしたので僕も目を閉じた 其処は赤を基調とした部屋で男が椅子に座っている 君の羊だってそんな飛び跳ねるような元気はないだろう? その赤の部屋の男はニヤニヤしながら喋る 五月蝿いな僕もそろそろ眠るから消えてくれないか? 眠る?随分と言うじゃないか、もう何日寝てないんだ?彼女に相談しないのか? 僕は本当は全然眠れないもう気が変になりそうだって、クックッ 嫌な笑い方するな、友達とかいないでしょ君? 服のセンスも悪いと言うか悪趣味だと思うけど 胸につけているアクセサリーも気持ち悪いよ 胸のアクセサリーのことは口にするな ぶち◯すぞ 今回は警告だ 次からカードを切るからな お前のせいで管理人を増やすハメになった パビリオンには近づくな理解したか? 五月蝿いな、僕の想像をとやかく言われる筋合いはないだろう?もう本当に眠るから出ていってくれ 想像だと?気持ち悪いやつだな たかが想像如きでこの俺が此処に出向いているとでも?お前こそ友達いないだろう? ジョークの趣味が悪すぎる おい、俺のジョークの出来について言及するのを止めろ、火炙りの刑に処するぞ 赤の部屋の男はため息をつく いや、正直俺はそんな暇ではないんだよ お前みたいなつまらん人間の相手などしている場合でもない、 悪意と言うものは実はとても忙しいものなんだ、今回は警告なのでね、 俺はもう行くよ、理解した? 君、名前は? 俺か?俺はリンゴスターだ、もう良いか? もうパビリオンへは行こうとするなよ 次はイエローのカードを切るからな お互いに面倒な事になるぞ ミサで退屈な時間を過ごす数万倍も面倒な事になる、お互いにな、人の、悪意の迷惑も考えて行動しろ 僕は少しだけ眠っていた 今日はお父さんのミサが上がる 祈りが届けば良いのだが
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インソムニア ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 348.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-11
コメント日時 2024-11-12
項目 | 全期間(2024/11/15現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
すごく面白いのにいつもコメントが付かなかったり少ないのは作品がビーレビの枠を超えているからじゃないかと思う。場所が変われば(詩界隈じゃない場所で)もっと需要がある作品じゃないかと感じました。なんだかもったいない。
1お読みいただきありがとうございます まぁ途中なんでこう感想と言うものも難しい感じなのですが。 信じるか信じないかはあなた次第、みたいな感じなんでコメント頂けるとほんと ありがたいと思いますね ちょっとまだまだ続くのですが温かく見守って下さるとアレです、アレですね 喜びますね。
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