地上を歩いてゐても
吾の周りの時空間がべとりと纏はり付くやうに
吾をキリキリと縛り上げては、
窒息させんとばかりに
吾の日常は存立する。
絶えず息苦しいことは
生きてゐる証拠として受け容れるとしても
この吾を囲繞する時空間に対する不快感はどうしようもない。
だから、吾は絶えず不快で、
初めはそれは吾が吾に対する不快だとばかり考へてゐたが、
それに加へて吾はそもそも時空間が不快なのである。
それが吾を囲繞するとなるともう堪らぬことで、
どこかへ逃げ出したいのであるが、
時空間のないところは特異点なのかもしれぬと
一所懸命に特異点を想像するのだが、
何もかもが、結局は時空間に呑み込まれてしまふ。
吾は疾風怒濤の大嵐に変貌する時空間へと連れ行かれ、
まるで水の中を潜行してゐるやうに時空間に揉まれては錐揉み状態になり、
深時空間へと辿り行く。
そこで一息つく暇もなく
深奥時空間へと連れ行かれ、
息苦しさに気絶する。
さうして頭だけが冴ゆ吾は
奇想天外で摩訶不思議な世界を夢見てゐる。
そのときだけ、あれだけ不快な時空間からの解放なのである。
だが、吾は
――ぐふっ。
と、最後の息を漏らしてしまひ、
窒息するのだ。
さうして時空間の残滓と共に流れゆき、
死のみを夢見る地獄の中で、
輪廻のみを繰り返す。
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 308.0
お気に入り数: 0
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ポイント数 : 0
作成日時 2024-11-04
コメント日時 2024-11-05
#現代詩
#歌誌帆掲載応募
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/15現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:308.0
2024/11/15 08時05分31秒現在
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時空間に対する考察が、ある結果を引き起こすという、内面と外界の探求だと思います。 そういうことを考えるのは、必然的であり、どうしようもないものだとは思えますが、 いつかはそこから離れないといけない。特異点というと、どうしてもブラックホール を考えてしまいます。積さんが、苦しみと思考の果てに、健全な状態へと帰還できることを 祈っています。現実を捉えられないというのは、かなり大きな苦しみですね。
0古めかしい文語体で書かれている。この文面から読み取る圧迫感もまた、それだけでこの逃げ場のない話者のいる世界観を演出している。内容は共感性が高いのだが、文体がとっつきづらく、それもまた作品としてきっちりと立たせる、作者の手腕だとおもえた。
0吾の連発が意図されたものであるならば、圧ありますよねー文語体縛りは気合が要りますよねー(縛ってなかったらごめんなさい)
0御作を、拝読させて頂きました。 上手く書けてはいらっしゃると存じ上げます。 纏わり附かれになられる様な文体は、表題を意識致しましての事でございましょうか。 「時空間」‐外部事象と「われ」‐内部事象の相克を、中心命題に据えまして起草なされた御作を拝読いたしまして思いますは、 いっその事、「時空間」を無視なされた「われ」の徒然をこころみてみてはいかがでしょう、と謂う身も蓋も無い、一言なのでございますが。 評者は、現実生活的外部事象の一切との距離を置いております故に(おかしなケースでしょうけれども)、 この外部事象との相克の感覚が、実を申しますならば、余り解らないのでございます。 或は、作者様に於かれましては抽象概念的情緒、畢竟情感のうねりを表現なされたい傾向がおありになられるのかも、とも存じ上げます。 評者はそちら方面の表現技法に於きましては滅法、鈍らでございますから、具体的なアドヴァイスの甚だ難渋を極めるのでございますが。 若し、観念‐詩の様なものをこころざしていらっしゃるのでしたならば、 自己の内面に歴史化をされた、象徴史‐アレゴリー的世界像を構築致してしまいます方法もございます (所謂、修辞派の技法とはなってしまうかもしれませんが)。 現実社会生活をおろそかになされる程、創作に賭ける心理を、とは無責任な物言いではございますが。 無理難題を承知の上で申しておりますけれども、何処か現実との折り合いに於きまして破綻をなされていらっしゃる筆致が垣間見えますものへ、 趣深い心境を覚えてしまいますものですから。 作者様へは聊かご負担になられるとは存じ上げますが、 身を持ち崩します程に表現へとのめり込みになられた後の結実を、拝読させて頂きたくも存じます次第でございます。 無理に、とは申しませんけれども。もう幾段か突出なされた物珍しさを期待致してしまいます所存でございます。 若しよろしければ、頑張ってみて下さいませ。 それでは、復のご挑戦をお待ち申し上げております。 此の度は、ご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございました。
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