幼虫期間を寝過ごして
ずるずると抜け出したゾートロープ
知らない街の牛丼屋で見た
首都高ジャンクション
レタスの内葉のように入り組んだ
あの世界線で
僕は転生しているはずだったのに
今頃
月はただただ夜のために
蛾の肌質で
すす臭い揺らめきを見据えていた
ボロボロの絵本を腹巻きに差し
はなたれ小僧は母の布団へ
一等好きなイモ虫シリーズの
一等好きな三巻
じぶんの居場所を確認したくて
まだ眠りたくなくて
こくりこくりと舟を漕ぎながら
垂れ落ちるばかりのまぶたを
めいっぱい開き
同じ本
同じページを
読んでくれと何度もせがみ
そう
夜な夜なせがみながら
温かな母の隣で
いつしか寝息を立てていたように
僕は静かに暮らしてきただろう
同じ絵本の中を
くる日もくる日もこくりこくりと
そして何度めかの朝
カーテンを一枚
あと一枚
窓もめくるめく日々にやがて
まぶたと開いて
盗めなかった夜の
ぶち抜けなかった鬼葉へと今
まさに手を伸ばし
回転ドラムのスリットを覗き込んだら
ああ
ピンク色に染まるレタスから虫
作品データ
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作成日時 7 時間前
コメント日時 7 時間前
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/01現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
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2024/11/01 10時27分54秒現在
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