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智恵子
寝不足の街に雨が降って 水たまりの上 人が走ってく 男が女に寄り添ってみると 男は女にお金をあげました いつか終わるって知ってるゲームと 気づかないように寄り道したら 次から次へと顔のない顔が 新宿駅まで歩いてゆきました たとえばひとつ ひとつ残らず忘れられたなら 忘れられない夜です どこかで猫が鳴きました 雨傘の中に招き入れられて 彼女はやがて大人になりました 破れたセーラームーンのシール 彼女はやがて老婆になりました たとえばひとつ ひとつ残らず思い出せたなら 風が優しい夜です 春だよって言いました 愛を今すぐ買いにゆこう ちょっとそこまで買いにゆこう 領収書もくださいな 智恵子 智恵子 智恵子 会いたいという言葉を知らなくても わたしはあなたを迎えに行くでしょう 幸せという言葉を知らなくても わたしの胸は張り裂けるでしょう 乱れた髪も濡れた指先もきれいにほどける 忘れられない夜です 夢だよって言いました 愛を今すぐ売りにゆこう ちょっと遠くまで売りにゆこう そのお金で花を買おう 智恵子 智恵子 智恵子 愛を今すぐ捨てにゆこう ちょっと遠くまで捨てにゆこう 軽くなって空を飛ぼう 智恵子 智恵子 智恵子
智恵子 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 832.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-02-19
コメント日時 2018-02-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
智恵子っちゃ、やっぱ高村智恵子なんかなあ 詩の文脈で智恵子って出てくるとやはりそう連想してしまう しかし詩自体は直接的に高村智恵子とつながるような描写は見当たらない やはり高村智恵子ではないのか そういったモヤモヤが終始あった
0各連それぞれハマっていると思います。特に、 《男は女にお金をあげました》(第一連)、《新宿駅まで》(第二連)、《セーラームーンのシール》(第四連)は、いいなあと思います。全体としてはどこかぼんやりした像しか結ばない作品に現実味をださせていると思う。 第六、九、最終連は、語尾や語調が変化するのですが、ここは男性パートなのでしょうか。よくはわかりませんが、そうだとすると《智恵子》の連打も合点がいかなくもない(ちょっとマックの音っぽく感じましたが)。 私の住んでいる地方の、とあるスーパーのコマーシャルで「ちょっとそこまで、ちょっとそこまで、お買い物」という歌詞が流れるのですが、《愛》というかつては(今もか?)お金では買えないと言われていたものの代表が、ここでは売買の対象になっていて、交換可能な流通の上にのっかっていることをズバッと言っていて、衝撃的ではあるのだけどもかえって爽快でもあります。が、結局、そこで消費対象になっているのが《愛》ではなく、「欲望」であることをわかってもいるから、最後は《捨てに行》きたくなるのかもしれませんね。 調子の良さで心持ち単調に流れていくところがあり、もう少し突っ込んでみても良かったのではと思いました。 良くも悪くも綺麗にまとまっていると思います。
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