思えば 私 逃げ出したい と そうだ。
膨れた肚は答えないで。
それには また、
うわ言の場所は土を掬う度に、
まるでグラスの何方かは
無力さを象徴するように混ぜて置いた。
計画。なんていうだろ――
吸い込まれるように落ちている。黄土色のボタンは青い海に印象だけ
脹れていく。昨日のカミサマは、滋味深いの白栲の上に仰向けに。
器に閑
さて今なにを強いたか、というのは、あります。
ちいさな蝿や虻といったゆるい胸が不憫にあります、
朽ち木の座と華。遠雷と蛞蝓とでもしましょかね。
「ん。~だよ」碧く濁った想像と風が吹いて。
わたしは目をとじた/嬰児の苔。息を吸い込む
/温もりも多く醜い嶌。昔化かしを象り浮かべながら。
――眉をしかめては駄目なのだ。
「いいえ、梟が啼いているわ
(やや皮肉そうに叱りつけてやろう)」
私は今、何を感じたのだろう
映写室では聞き取れないわ。
ちょうど 両手で包みを外す、軀は畝無効に
(暗い水面に視線を投げ掛けていた。)で
、帰れなくなってしまったんだね
(これは誰の骨だ)と(意識しています。)
さて思考を奪うペンが ひび割れた十三篇の休符がゆるやかに昇る。
(ほほえみながら)約束に従って お返事に詰まりますが、
汚れたカメラの味覚を消す古びたブーツが歩くたびに、
陶器の絵の具の流れを吐血するかのように
(接するに及んで、~対するときは。
/乾いた灰の風があふれ出す泥を嗅いていた。)
脈打つ耳たぶに 溶けた色をつくる 両眼のパール。
頭蓋のない琉金と祈りながら 行き先を告げない
無表情の地図に 震えが濡れた冷気を
青褪める宝石が夜になるほど、そばだて
『伝うその先で、お待ちなさい』
ああこらこら、せっかく板で囲っても。再読した屍を
避け砂時計に戻す未来を、いまは目を覚ますと
連れ去られたあと――そのあと、手首は炉露に
ヌメていた。身動きも取れないポケットにあって。
ごめんね、地下鉄を何本か見過ごして
/後ずさった。このたび
――しらせがきます。
はぐらかすように暮れた空で
/あなたとは ≒ はじめ
、〝海鳴り 透明な箱が〟
しばしば、べつに
/ぶっきらぼうに
→吊るして上げたいけど、
あなたは日記もつけないくせに。これは、手に負えないので、
(追いつくものではない)字をつけるのでした
(見本の白蛇は毛並みが先頃からきた始末でした。)
それからありとあらゆる私からいつか眩した名に
のぞきこんでみるものとは片道、雲行きの陰に用がある
尾根向うから流れはじめていた、森の逆で優雅に儚せるのを。
雲が糸を吐きながら 私はまだ、眠りの隣で 常夜灯の傍で
手元に引き寄せればゆっくりと巻き戻しているだけ
、では……
(此処へ来るまでのスケッチだろ。)
腰をおろして覗くに王冠を炙った紅葉は、
すっかり垂れ篭めていたのでしょう。
かつての一歩も、すこしのあいだも。
この場所に。あろうことか枝葉を認めたようだった。
心にも明るくない、自分のカドが取れて
空、と尋ねて惑わされ/薄くなり
多分倒れている 燐寸を擦るに違いなかった――
緑錆は五月雨を信じない、
だから口が割れる、
投げ出した頭を、
「ご迷惑じゃありませんかしら」
それもそうだが/戦慄きすらない。
今、
澄んだ雪を食べるな。
「でもねえ……」吃驚して振り向いた。
――名残惜しくて、
作品データ
コメント数 : 18
P V 数 : 1796.6
お気に入り数: 0
投票数 : 9
ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-17
コメント日時 2024-11-10
#現代詩
#縦書き
#受賞作
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
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前衛性 | 0 | 0 |
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2024/11/21 22時47分50秒現在
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「うつわにしづか」きれいな言葉だと思いました。タイトルのフォント(MS明朝)だと特に。 いいなと思ったのは「嬰児の苔」「ヌメていた」など。 嬰児の苔、は始めえいじのこけ、と読みました。嬰、という字は櫻の旁でもあり新生児のイメージともあいまって桃色の無垢な印象があり、深い緑色の苔の古びた印象との落差が心地よかったです。 しかしいざ感想を書こうとしたとき、えいじ、では私の貧弱な端末では変換できず、みどりご、で探すと出てきました。そこで、作者の無意識では嬰児のみどり、という言葉につらなって苔、というみどりのものが引き出されてきたのかな、などと想像しました。 なんにせよ、離れているようで実は近いとも言えるような語の組み合わせが面白かったです。 ヌメていた、はよくわかりませんが周辺の語句との落差によりかえって作者にとってこうでなければならなかったのだろうという必然性を感じます。 この詩を読む前、個人的に気持ちが昂ぶっていたのが、読んでいく過程で不思議と鎮まっていきました。 思うに、この詩のもつ主に形態面での不均衡さや心電図の波形のようなとげとげしさ、他方で内容面での伝えてこなさ、伝えようとしていなさが、ちょうど防音室のトゲトゲのように無言でわたしの昂ぶりを吸い取ってくれたのでしょう。作者も書くことで安らぎを得ているのだろうか、などと思いました。 一点だけ、「儚せる」という語句があり、読み方を決めきれませんでした。 どういう読み方を想定されていたのでしょうか。 ・ボウせる、モウせる ・想定していない(字面のみの効果を期待した) ・うせる、きえうせる ・上記以外 字の扱いを知るのが好きなので、よろしければ教えていただけると嬉しいです。 乱文を失礼しました。
1器に閑 さて思考を奪うペンがひび割れた 十三篇の休符が ゆるやかに昇る 陶器がひび割れた。金継ぎのような技法でしょうか? あれは漆で繋ぐものですよね。 一度書き込まれていた詩文をできるだけ意識しないようにつないでみる。 ちゃんと書き込まれた物語性を匂わす文章もあれば、対話に即した文もある。 まさしく快刀乱麻支離滅裂とはこの事で、肝にわるいなあ 笑 ていうか、読み手がこれを何に置き換えてイメージできるのか、の実験のようなものでしょうね。 なので、わたしこと猿メはこの作品の作者を本阿弥光悦略して「 私/元々陽の芽を浴びなかった詩文を器に見立て、「静」と銘々された赤楽茶碗で酒を飲み干しては何枚もの和紙を破いては破棄している。このAOI氏の姿を縁側で眺めているのじゃと…。
0>意図的に強い意思を感じます。 でしょうね、逆にそれしか見えないと思います。 >読み手がこれを何に置き換えてイメージできるのか、の実験 そうですね、わたしは詩とよばれるものを、誰かになにかを読ませるために、きばって書いてないので、やはり、だれも理解できないでしょう。 (じゃあこれはこれはなんだろうと私が覗いてみれば)自分の詩作方向を書かかされたようなので、自分で自分の面をあらためて垣間見たので私はすこぶるご機嫌なんですがね♪
1別のところても書きましたが、詩情を感じますね。 その理由は文章が韻文で書かれているからだと思います。 詩は基本的には韻文ですから。 音は、けっこう重要だと思っています。
0私には文章力ないのをごまかしてるだけに見えるけどこの書き方。申し訳ないけど皆さんが評価するほどの良さや価値がわかりません。破綻しない文章を実際書ける人なんだろうか?と疑問を持ちます。 この作者には一緒に酔ってくれようとしている読者の気遣いがまったく見えていない。一人ご満悦で。今のところ、あなたの作品は読者にオナニーをほう助させるようなマスタベ的ポエムだろうと思う
1読者にエナジー、ではなくてオナニーを幇助させるマスターベーション的なポエム。笑 なんとなくわかりますよ。 ぺえ太さん。ですがね、たぶんこの方はたぶんそれ相当のお歳で(ごめん。感じです)詩歴自体はそれほど長くない様子に書かれていましたが、何か、他の分野での芸術には携わっておられたか、着眼点のあった方だとは感じられますね。全体的に内面を通して抉るようなソリッドな書き方をされておられる。 現代詩フォーラムで(あらい)さんの詩を見て読んでみてください。文章力が無いというのは少し早計だと私は思いますよ。
0色んな意見があっていい。わからせるように理解できるようにおもしろく思えるように。ってさ読みても書きても、それぞれだからな。モノやコトを書いてないから。みえん、わからん。だからなんだ?と続くのですけどね。惹かれなかったらそこでおわり。みなそれぞれですから、おもしろいと思えるものをそれぞれ信じていればよいのです。兎角、詩を愉しみましょう、ですかね
1前作に比べて特に代わり映えはしていないね。
0バレましたか。どれもこれも内面しか書いてないので、代わり映えのないものになります(*_*; 精進します。お読みくださりありがとうございました!
1私の作品のコメント欄で以前、自分ならこう書くとリライトして価値観押しつけてきたんですよこの方。痛くもかゆくもなかったんですが。当初からこの方の詩を良いと私は思っていなかったので、そこから何を言われても屁とも思いませんでした。 井の中の蛙が狭い視野でマウントかましてくるのは構いませんけど、結局何を言ったところでチヤホヤされたあげくトッチャン坊やになってるだけのヘタクソ。書けていないという自覚を持たないといつまでも書けない。お若そうだと私は思ってましたが、どのみちこの方に伸びしろは見えません
1こういった厳しいご指摘を行うのは勇気がいることだと思います。コメントありがとうございます。ご指摘いただいたとおり、いまのわたしの作品は破綻した文章です。ぺえ太さんがどれぐらい私の作品を読んでいるのかわかりませんが、今行っている詩作だけを見ればそう思われることは何らオカシイことではありません。いまのワタシが書いている方向はじつに、マスタベ的ポエム、井の中の蛙、たしかにそうですから アラガイさんとのコメントでかかれてありました。以前のコメント欄でリライトして価値観を押し付けてきた。と、ぺい太さん自身が 屁ともおもわないとか、井の中の蛙だな とか、思われていたということ、それにきづけず不快な思いをさせ大変申し訳なく思います。どうもすいませんでした
2ついにトラウマ発作を起こし切りつけてしまいました。すみませんでした。 A·O·Iさんのポエムですぐキャパオーバーするため、いつしか臭いポエムとしてA·O·Iポエムにフタをするようになっていました私。読めない憎っくき存在であったのです。 私は大阪人であるためか、お決まりの展開とかオチがある安心感を求めてしまいます。そして短気なのです。A·O·Iさんと真逆ですね。関係ない話してすみません。 お返事くださりありがとうございました
1田邊容さん、コメントありがとうございます。まずはtitleお褒めくださりありがとうございます。このサイトは縦横も選べフォントも美しいので好んで使ってますが、ルビの大きさがもうちょっと大きければいいのになあと思っています。 >いいなと思ったのは「嬰児の苔」「ヌメていた」など。 みどりご、ですね、ご察しのとおり苔と紐づけました。あとは、ヌメる(滑っている)ですが。わかるように書いてしまうと視界にとらわれてしまう、ヌメヌメを短くなんとなく想像させればいいかなと。あとは音読したときの感覚でしょうかね。 >離れているようで実は近いとも言えるような語の組み合わせが面白かった 自分のものは大抵暗喩ですが心象としてあるいは風景として行動として、イメージをつかずはなれず重ねていくので、形を一つに定めてしまう。だから必要な読みというものはなくて、なにかしら読み手の感覚をもって手探りで必要なもののように変化していくことを理想に組んでいますが、これに関しては前作がオブジェクトマシマシだったので、なるべく入れないようにしようとおもったんで >読んでいく過程で不思議と鎮まっていきました。 田邊容さんはきっと、一文字一文字この詩と同じ呼吸で歩いてくださったんだと思います、そうすると詩は読み手のペースでスペースとなりますから、読むのではなく、体感していただいた、そういうことなのかなと感じています。この詩は自分で自分を見つけ出す、そういう意味があった、と私は一つの見解として思いましたから、作者としてもとても嬉しく思います。 >「儚せる」という語句があり、読み方を決めきれませんでした。 「儚せる」クラせる ですね。「儚」に意味があるのですが、そう取ってほしくなかったので ハカナイを置いて、あえてルビいれませんでした。 眩した/雲行きの陰/優雅にくらせるのを/雲/がいとをはきながら/眠りの隣で―― みたいなかんじで、ひとつひとつ感じられるままの、なにか、ぐらいのかんじです。 こうしてなにかしら感じ取っていただける方がいらっしゃることが毎回みらくるだとおもっているんで、ほんとうに読み手様には感謝しております。 田邊容さん丁寧にお読みくださりありがとうございます。
2トビラさん(現フォでも)およみくださりありがとうございます。音はこだわってるのでそう言ってもらえると嬉しいです(^^)
2AOIさんの作品が評価されるのは、内容はもちろんだけれども視覚面が優れているためだと考える。文字どおり目を引く、文字列の氷柱が目につき刺さるのをさけながらも氷柱のスキマに何かがありそうなのでそれを読みたくなる。あたかも魔術的感覚。これは天性のものだからそれらを持ち合わせていない人たちから毎度毎度ひがみややっかみをかかれる。それが理由だ。#バカドモ
1お弟子さん、コメントありがとうございます。魔術的感覚とか、これは天性のものとか、言われちゃうと嬉しくなりますね。今この場では、理解や共感、メッセージ性のあるもの、意味を重視されている方が多いので。わたしのような、言葉や表現が引き起こす感情や感覚、印象に特化したようなものは、わからないの一言でしかないと思ってますから。しょうがないかなと思ってます。まあソレも一見解一感想ですから読んでいただいてありがとうございますでしかないですね
1詩の性質を生かした表現だと思うのですが、特に 「ごめんね、地下鉄を何本か見過ごして /後ずさった。このたび ――しらせがきます。 はぐらかすように暮れた空で /あなたとは ≒ はじめ 、〝海鳴り 透明な箱が〟 しばしば、べつに /ぶっきらぼうに →吊るして上げたいけど、」 こう言った記号の多いセンテンスが多い連が気にかかりました。 そしてその中でもこの「≒」、この記号が限りなく近い、限りなくイコールの記号だと思うのですが、「あなた」との近さを言っているのか、今のイコール度に対して、最初はだいぶ違っていたのかもしれず、その辺の事情を言っているのかと思いました。
0この詩は、この場にだすにあたってだいぶ分解してますから、意味を取るのも自由であると思ってこうしてだしてみました。 >――しらせがきます。はぐらかすように暮れた空で/あなたとは ≒ /ぶっきらぼうに→吊るして上げたいけど 現フォではこれで一連でしたが。 /あなたとは≒/ぶっきらぼうに、と。 はぐらかすように暮れた空で≒はじめ、〝海鳴り 透明な箱が〟しばしば、べつに がそれぞれ≒だったはずです。というのが私の一見解でしたが、もう書いている途中できえてしまうことも多いので、本当に自由にすくい取っていただければと思います。コメントありがとうございます!
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