部屋が海に沈む夕べ
私たちは静かに上を見る
懐かしい光はビロードのしるべ
眩い果ての間に、お前は健やかなまなざしを……
窓は横切るイワシの群れだ
雲は流れそのものだ
巡る浮力は光を変えず
ただこの重さに応えるのみ
ああ、たおやかな海よ
光だけがお前を従えるのだな
私はすべなくお前に抱かれ、
声は耳石を揺らすだけだ
(この身は流れぬこと知り
重力の異なることを悼む)
やがて光が沈むとき
私は近づく雨音にふれ
お前が星を映さないことを
窮屈な呼吸をもって知る
夢想するは
黒いお前と静かな潮流の踊り
自由なえら呼吸と
覚めた夜の語らい。
(本当の太陽は
お前と私のふるえの中に)
さあ、
瞳を焼こうとするものについて
安息を探さないものついて
永遠の夜に語りつくしてしまおう
三度目の、鯨がやってくるまでに
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 250.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-05
コメント日時 2024-10-09
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/10/19現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:250.8
2024/10/19 07時20分45秒現在
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言葉遣いのセンスが良く、イメージも美しい。鯨がやや唐突な感じですが、美しい詩文を読めて 良かったです。
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