軒下で蟻たちが黒い列を作り蠢いている
そこへ一匹の蟻が逆走して
他の蟻を押し退けながら強引に進もうとしていた
蟻同士はぶつかり合いながら
なんとか狭い隙間を縫って歩んでゆく
(去年までの私もこの蟻たちのように立ち働いていたのだ)
非正規労働者が多く働く職場で
非正規である私たちは常に仕事と責任と時間に追われ
企業からは
「お前たちの労働力なんざいつでも
ITに挿げ替えることができるんだからな」と
暗に脅しをかけられ
肉体的にも精神的にも余裕がなくなり
限界を迎えた私たちは
同じ労働者である筈の仲間を攻撃することで
なんとか精神の均衡を保とうとしていた
他課から転属してきたばかりで
右も左もまだわからぬ新人には手厚い制裁を
出社後お決まりの無視と威嚇と嘲りの三重奏
やられた相手は精神に異常をきたし
働く意思を奪われたあげく出社すらできなくなり
やがて退社を余儀なくされる
因果応報繰り返される歯車に絡まったまま
いつしか無感覚に陥り
そして私も気づけば歯車さえも抜け落ちて
平日の昼日中に
自宅軒下の蟻を見つめている羽目となった
蟻は相変わらず一本の少し曲がりくねった列を作り
脇目も振らずに働いている
目を転じた先に白いコンクリート製の地面が
日差しで白く浮かび上がり
乾涸びて伸び切った木菟の死骸がこびりついていた
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 3 時間前
コメント日時 2 時間前
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/10/02現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:57.0
2024/10/02 16時23分28秒現在
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……夕陽さんのいつもの軽快さという美点が欠落している。 地に足を取られすぎてるというか……。 (※僕自身が詩に現実性を持ち込みすぎないようにしてるのもあって、違和感がすごい)
0むしろ、こういった詩の方が喜ばれることが多いです。
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