あれは、夕暮れ時のファンタジー
パヴァーヌとひぐらしの音が
混ざり合っては不協和音
ゴミで埋もれた汚部屋の隅に
黄ばんでシミだらけの布団
そこに、君の死体が横たわっていた
白肌シルクの半裸体
生はとうに終わりを迎え
すべての鼓動が沈黙に
二の腕のタトゥーは藤の花
あたしの知らない女の名前
薬の抜け殻、腕には注射器
リスカの彼岸はミミズ腫れ
錘なんてかわいい物じゃない
死してなお、唇だけは
未練がましく瑞々しい
待っているのはどの女?
もしも、あたしがキスをしたなら、
目を開いてはくれないかしら?
なぁんて、
そんな資格は無いくせに………
あたし、プリンセスでいたかったの
あたしだけの君が欲しかったの
くだらない願望と独占欲
それは全部、君を殺す毒だったんだね
純愛を求めたクズな魔女は
恋する乙女の成れの果て
イバラの呪縛は消えることなく
一生あたしに付いて回るだろう
あれは、夕暮れ時のファンタジー
君の十六歳の誕生日
冷え切った薬指にはお揃いのペアリング
去り際には、黒薔薇の造花を君に添えて…………
作品データ
コメント数 : 1
P V 数 : 126.4
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ポイント数 : 0
作成日時 2024-10-01
コメント日時 01:05:08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/10/02現在) |
叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
音韻 | 0 |
構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:126.4
2024/10/02 14時14分03秒現在
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Bitterで見られたような下卑た言葉は使われてないけれども、どことなく現実という重力に足を取られてしまっているようにも見える。 (こう言ってしまうのは失礼なのかもしれないけれど、電子仕掛けの天の川以前の素朴さが好みだった)
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