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BLUES
僕たちの意識の中に 山がある 海がある 町がある 彼がいる 犬がいる 君がいる 触れる 見えている 僕がいる だから世界はここに在る 当たり前だろそんなこと だって誰にも見えている はてと立ち止まる人がいる 心の中と外の世界 感じているのは意識の世界 それならどちらも同じ世界 それは人間だけのもの 狭くて小さな一部分 その外のことを僕らは知りえない なんでだろう 人間同士で決めつけているだけだから 鳥の目で見たこともないくせに 虫と話したこともないくせに 人間には見えないもの 触れないもの それらはみんな「無い」ものになる 答えがなくてなんだかよくわからないもの それらもいつしか「無い」ものになる 人間至上と旗を立て 「在る」ものだけを追い求め ガリガリと削り続けてきたんだね 中央広場で栄光の旗が靡いてる 天高く鳴り響くトランペット 拍手喝采 歓喜の嵐 どこまでも続くパレード その広場の路地裏から Bluesが滴り落ちている 誰の耳にも届くことのない Bluesが滲み漏れている 繁栄の陰に捨て置き去られ 「無い」のだから聴こえない 路地裏の角から パレード眺める少年の 瞳の奥に雨が降る 永く重たく雨が降る あったかいおうち おいしいごはん やぶれてどろどろにならないくつ ほんとうはあの子たちみたいにくらしてみたいけど口からこぼせばママがなく パパがなく だからぐぐっとのみこんで うたうことしかできないの いつもいつでもくちびるかんで 血をなめたらまたのみこんで うたうことしかできないの みいんなみんなうたってる みんなみいんなうたってるよ 人の心の柔らかさ 誰も忘れてしまったか 歓喜掻き消す一閃の 稲妻 刹那 沈黙の その隙間を深く抉ればいい 見て見ぬ振りと知りながら それでも僕らは目を逸らす そのうち何も感じずに 麻痺して仕方無しと謂う 麻痺して仕方無しと謂う 人の心の柔らかさ 君も忘れてしまったか
BLUES ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 454.5
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-09-22
コメント日時 2024-09-23
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
他者の痛みを感じる心の柔らかさ、大事ですね。人の詩をこうやって覗き見るのは自分の人生を覗き見る振り返るようです。
0人間賛歌に対する、憐れみと皮肉と願いを込めたアンサーポエムだと受け取りました。 タイトルにもある「Blues」という言葉は“人生”と同意義で使われているような気がするのは私だけでしょうか。 多様性が叫ばれている現代ですが、偏見や差別はまだまだ根強く人々の心を支配し続け、その麻痺した意識を変えることは容易ではありません。 だからこそ、その疑問や訴えをストレートに言葉にするのではなく比喩的に伝えることで、一人でも多くの人に問題意識を持ってもらうことが詩人の役割なのだと思います。 “Bluesが滴り落ちている” この一文は間違いなく私の心に届きました。 しっかりとBluesが聴こえました。
0子供の頃にドラえもんの、のび太としずかちゃんの結婚前夜に、しずかちゃんがのび太の頼りなさに結婚が不安になり、しずかちゃんのパパに相談したところ、「彼は人の気持ちがわかる人だから大丈夫、人間にとってそれがいちばん大事なことなんだよ。」というシーンを観てだいぶ泣かされました。 過去のものだからなのか、湖湖さんの詩にコメント欄がなかったのですが、横浜百景を読みました。私も自分を振り返り、私もそんな泡を忘れまい。と思わせてもらえました。 どうもありがとうございました。
1私にはなかった視点だったのですが、「Blues」を"人生"と読んだ時に、さらに迫る生々しさを感じました。こういう客観性を与えてもらえるのは、とても有り難いです。 多少本題から逸れるように思われるかもしれませんが、ずっと昔の時代から今に至るまで、誰にも見向きもされないような路地裏に、たとえばその子はお金がないので画材道具など買えるわけもなく、ただ棒切れで砂に絵を描いては風に消されてそのうち諦めて死んでいったかもしれませんが、世にいう天才達を遥かに勝る才能が、きっとあったはずだと思い、とても悔しくなるのです。 滴り落ちるものに対する感受性を失うことのないように生きてみたいですね。 どうもありがとうございました。
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